平ゆかり/商品部ディレクターディレクター(左)20歳でベイクルーズに入社。一度退職し、地元である福岡のセレクトショップでバイイングを経験し、2003年にベイクルーズに復帰。「ドゥーズィエム クラス」で3年間バイイングを手掛け、「ジャーナルスタンダード」へ。14年「ジャーナルスタンダード レサージュ」のマネジャーを務め、退職。15年11月にアメリカンラグ シー ジャパン入社、現職
鍵を握る2人の新ディレクター
サザビーリーグの関係会社で、2018年に設立20周年を迎えるアメリカン ラグ シー ジャパンに、2人の新ディレクターが入社した。1999年から2007年まで同社に在籍し、その後も外部から同社を支えてきた中根吉浩が、昨年4月に広報部マネジャー兼クリエイティブ・ディレクターに就任。20年以上ベイクルーズ・グループに在籍し、「ドゥーズィエム クラス(DEUXIEME CLASSE)」や「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」でバイイングやマネジャーを務めた平(たいら)ゆかりディレクターが11月に入社し、ブランド力の再強化に着手している。平ディレクターはアメリカンラグシーに参加したきっかけについて「2年近く誘われ続けていたが、もともと知人だった中根マネジャーが戻るタイミングで一緒にやってみようと思い、入社を決意した」と話す。アメリカンラグシーについては、「今ではメジャーになった、海外のショップを日本に誘致した先駆けのイメージ。ビンテージ感とエッジーなテイストが組み合わせられていて、面白いモノもある店だと認識していた。ここ2、3年はぐっとカジュアルになったイメージ」と続ける。中根マネジャーは強みと課題について、「LAの店さながらの雰囲気や高揚感があり、リラックスムードとモード感、ビンテージやミリタリー感などを混ぜ合わせたテイストが本来の強みだ。だが、00年代中盤に世の中がラグジュアリー志向になってビンテージムードが衰退したことや、ラグジュアリーが盛り上がった青山に旗艦店を開いたことなどで、軸を安定させることができなかった。08年前後をピークに、担当者を何度も代えながら現在に至る。今の課題はもともとの強みであるミックス感をアップデートさせることだ」と分析する。
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30〜40代をメーンターゲットに
2人はまず、商品構成の見直しからスタート。平ディレクターは「他のセレクトショップに比べて仕入れとオリジナル比率が半々と、仕入れ比率が高いのがアメリカンラグシーの強み。今後は、以前のようなラグジュアリー感とエッジーな雰囲気、ミリタリーやデニムをミックスした大人っぽさのあるスタイルを提案したい。30〜40代をメーンターゲットに、20代の方からも憧れられるようなポジションに育てたい」と語る。
既存ブランドやビンテージは引き続き強化しつつ、新規ブランドも導入する。また高価格帯のシューズやバッグに再注力し、「ジル・サンダー(JIL SANDER)」や「ロシャス(ROCHAS)」などの取り扱いも再開する。オリジナル商品のクオリティーアップも肝要だ。「競合他社に比べて弱い部分。ターゲットを細かく固め、微妙なサイズ感にもこだわる。新たにインポートファブリックの使用も視野に入れている。必然的に価格帯も上がるが、より質を重視する。以前のような1960〜70年代ビンテージ風のテイストも取り入れる」と平ディレクター。中根マネジャーも商品について「近年は、カジュアルのフィールドで直球のカジュアルをやりすぎていた。また、トレンドやMD先行型に傾倒していた節もある。今後は、ラグジュアリーなテイストを組み合わせてカジュアルを引き上げたり、全体を引き締めたりする」と話す。「今後は決定や行動のスピード感を高めることに加え、これまでバイヤー主導型になっていた体制を見直し、VMDなどの各担当もしっかり決め始めた」と、組織編成にもテコ入れを図っていく。
来年には新コンセプトを体現する新店舗も
店舗については、渋谷・神南の旗艦店と、集客が多く売り上げも良い新宿店を軸に、店舗ごとの差別化を図る他、来年には新コンセプトを体現する新店舗も出店したいという。「自社ECとウェブサイトを統合する。SNSも強化し、若年層への訴求も強めたところで新店舗につなげられたら。アメリカンラグシーとともに大人になった方々はもちろん、次なる顧客層に向けた動きも大切にしたい」と中根マネジャー。平ディレクターは、「居心地の良い店作りや優位性を感じられる商品を追求し、顧客満足度を高めたい」と意気込む。