
アンケートでは、48社に「いま最も大きい課題」と「今後3年で力を入れたい領域」を尋ねた。2つの設問に対する答えは、驚くほど同じ場所を指していた。サステナビリティの壁となっている課題の筆頭は素材・リサイクル技術(27社)と規制・情報開示(23社)。そして力を入れたい領域の上位もまた、素材(30社)、回収(28社)、情報開示(24社)だった。つまり多くの企業が困っている場所は、今後力を入れたい場所でもある。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月28日号からの抜粋です)
ピンチはチャンス。
“可能性”と“課題”は表裏一体
まずは環境配慮素材へ置換 >> 回収
今回、48社への調査と取材から見えてきたのは、日本のファッション産業が循環に取り組むとき、およそ決まった順番で歩を進めている、ということだ。上の「課題」と「可能性」を左右に並べた対向バーは、その順番を映し出す。ある領域は「もう課題ではないが、これから力を入れる」段階へ移り、別の領域はまだ入り口で苦戦している。進み方には、はっきりとした濃淡があった。
出発点は、素材である。従来の素材を、リサイクルやオーガニックなどの環境配慮型へ置き換える。ここに最も多くの企業が苦労している。「素材・リサイクル技術の壁」を課題に挙げた社は48社中27社で最多、同時に「今後力を入れたい領域」でも素材・原料が30社で首位に立った。一番の難所が、一番のビジネスチャンスでもある。品質やコスト、複合素材の分離という壁は高いが、各社はそこから逃げていない。
次に進んでいるのが、回収の仕組みで、この1年の変化は大きい。行政の後押しもあり、官民連携の回収プラットフォームが各地で立ち上がった。調査でも「回収ルートが未確立」を課題に挙げた社はわずか1社で、13項目中最下位。かつての難題が、ほぼ課題ではなくなりつつある。一方で「回収・リサイクル」を今後の注力先に挙げた社は28で、可能性の第2位。回収は、集める段階から、その先へと進み始めている。回収した服の出口として、今現実に先行しているのはリサイクルよりリユース・リセールだ。ベイクルーズ、ビームス、CFCLなど、自社リセールを事業化する動きが広がっている。
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