
サステナビリティはもう、「やる・やらない」の段階ではない。48社の回答から分かったのは、対外的な体制——HP、担当者、役員、部署、目標——とサステナビリティの連動はこの数年で広く普及したということだ。だが、役員報酬や人事評価という“社内の仕組み”にサステナを連動させている会社は、少数派だ。あなたもぜひ、下のチャートで、自社の現在地を確かめてほしい。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月28日号からの抜粋です)
今回の特集の出発点は、次のような問いだ。日本のファッション産業は、大量に作って売って捨てるリニア型から、循環型へと“進化”しているのか。それとも、掛け声ばかりで足踏みしているのか。その現在地を、印象ではなくデータで確かめたい。そう考えて主要なアパレル・繊維商社・小売りなど61社にアンケートを依頼し、48社から回答を得た(回収率約79%)。回答は上場のプライム企業が中心だが、非上場の企業や中小も含む。大手の声だけに偏らないよう努めた。インポートは除いた。
設問は4部構成。第1部で「体制と現場への浸透」、第2部で「今最も大きい課題」、第3部で「今後3年で力を入れたい領域」、第4部で「判断の根にある哲学」まで、大小合わせて28問を尋ねた。「できている・できていない」を問うだけでなく、「着手したが未完」「今後やりたい」といった、あいまいな途中経過まで拾えるように質問を設計した。達成度だけではなく、迷いや停滞まで含めた“実際の進み具合”を見たかったからだ。「やりたいが、できていない」という正直な答えこそ、進捗を測る手がかりになる。
もっとも、この調査には限界もある。回答は大手・上場企業が多く、非上場の中小企業や産地の実態を、完全には映しきれていない。数字は、その偏りを差し引いて読む必要がある。それを踏まえた上で、本特集は結果を3段で追う。まずこのページで体制づくりの進捗を、こちらの記事で企業が抱える課題とそこに潜む可能性を、そしてこちらの記事で数字の奥にある哲学を扱う。KPI(数値目標)だけでは測りきれないものを、「もったいない」に代表される日本固有の価値観が補えるのか。数字と価値観の両面から現在地を描くのが、この特集の狙いだ。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
