「シーエフシーエル(CFCL)」は、ニューヨークの出版社リッツォーリ(RIZZOLI INTERNATIONAL PUBLICATIONS)から初のブランドブック「CFCL: Clothing for Contemporary Life」を9月8日に出版する。これを記念し、展覧会「CFCL: Building the Aesthetic ― 構築される美」を7月18〜30日、東京・表参道のGYRE GALLERYで開催する。ブランドのビジュアル表現を通して、高橋悠介クリエイティブ・ディレクターの美学をひもとく内容だ。
写真と映像でたどる「CFCL」の美学
展覧会は大きく3つのセクションで構成する。最初のセクションでは、2023年春夏(VOL.7)から最新の27年春夏(VOL.12)まで、世界で活躍する4人のフォトグラファーと共にパリで制作してきたシーズンビジュアルを展示する。高橋は、ニットが本来持つ柔らかさや温かさから切り離し、硬質で冷たい要素を取り入れることで、緊張感と洗練を感じさせるビジュアルを追求してきたと説明する。
続くセクションでは、高橋が学生時代から憧れていたという写真家の高木由利子と取り組むプロジェクト「Motion in Emotion」を紹介する。12台のモニターを用い、これまで未公開だった作品と本展のために撮り下ろした新作を交え、静止画を映像として再編集した「スチールムービー」を公開。作品には、「シーエフシーエル」の服をまとったモデルが、ダイビングやフェンシングなどさまざまなスポーツに取り組む姿を収めた。ダイナミックな体の動きと、それに沿って伸縮し、形を変えるニットの特性を重ねることで、衣服と体の関係を表現している。
最後のセクションでは、今年3月にパリ・ファッション・ウイークで発表したランウエイショーや、ビジュアル撮影のメイキング映像を上映する。高橋は「ファッションショーがどのように作られているのか興味を持つ学生たちにも見てほしい」と話す。完成した表現だけでなく、その制作過程を伝えることで、次世代への教育的な意図も込めた。
会期中には、高橋を中心に、写真家の高木、ライフスタイリストの大田由香梨、美術家の磯谷博史、「シセイドウ(SHISEIDO)」のヘアメイクアップアーティストらを招いたトークイベントも開催する。「シーエフシーエル」らしさを築きあげてきた表現の根底にある思考や美意識、そしてその舞台裏について聞くことができる。参加申し込みは展覧会の特設サイトから可能。
「シーエフシーエル」は昨年、ブランド設立5周年を迎えた。高橋はブランド設立当初を振り返り、「サステナビリティーへの取り組みに注目が集まる一方で、ブランドの美学を十分に伝えきれないもどかしさがあった」と話す。かねてより写真表現を重視してきた高橋にとって、同ビジュアルブックはブランドの歩みと世界観を一冊にまとめる試みでもある。書籍と展覧会を通じて、クリエイションの多層性とその根底にある哲学をより広く伝えていく。
■「CFCL: Building the Aesthetic ― 構築される美」
日程:7月18〜30日
時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
場所:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3階
入場料:無料
◾️「CFCL: Clothing for Contemporary Life」
著者:CFCL
発売日:9月8日 ※7月18日から先行予約開始
価格:リミテッド版 1万3200円/スタンダード版 65ドル
発行:リッツォーリ・インターナショナル・パブリケーションズ
仕様:30.4×21.9×2.5cm/224ページ/英語(日本語訳の挟み込みあり)