高橋悠介クリエイティブ・ディレクターによる「CFCL」は、ブランド設立5周年を記念し、展覧会「CFCL:KnitwearからKnit-wareへ」を開催中だ。場所は「CFCL 表参道店」が入る複合施設「ジャイル(GYRE)」3階の「ジャイル ギャラリー(GYRE GALLERY)」で、会期は4月28日まで。
同展覧会では、来場者は4つのテーマの小部屋を巡回する形で、同ブランドのクリエイションの歩みをたどる。実際のウエア、映像作品、写真作品を展示するインスタレーションだ。高橋クリエイティブ・ディレクターのモノ作りの原点となった学生時代の作品を深掘りながら、サステナビリティーに真正面から向き合うブランドとしての生産背景、シグネチャーであるニットの編み地のバリエーション、写真家の蓮井幹生によるポートレートプロジェクト「シルエット(SILHOUETTE)」を紹介する。
高橋クリエイティブ・ディレクターによれば、同展を開催するに至った目的は3つあるという。1つ目は、「CFCL」だからできることを明確にすること。同氏1人で工場探しやInstagramのアカウント管理など、全てを手掛けていた5年前に比べると、会社が大きくなるにつれてできることも増えており、ブランドのアイデンティティーを改めて提示する必要性を感じた。2つ目は、クリエイションに注目してもらうためだ。今でも“サステナビリティーブランド”という世間の認識は強いものの、パリ・ファッション・ウィークへの参加を経て、海外のバイヤーやジャーナリストからデザインや服自体の完成度の高さなどクリエイションへの評価も高まっている。3つ目は、ドレスに特有のふわりとしたシルエットのオリジナルが「CFCL」にあると表明することだ。「われわれは社会的なインパクトを与える存在でありたい。今後、『CFCL』の影響力が世界規模になるにあたり、その源泉がここにあると知ってもらう必要があると考えた」と話す。
高橋クリエイティブ・ディレクターは、5年を振り返り、「他のラグジュアリーブランドが100年単位の歴史を持つ中で、『CFCL』はほんのわずかな年数しか重ねていない。ただ、これからもブレずにニットに注力し続けることで、ブランドの存在意義を確立していけたら」と意気込んだ。