
メンズ・ファッション・ウイークが開催された約10日間、欧州は記録的な熱波に見舞われた。特にフランスでは史上最高気温を更新する40度超の灼熱となり、温熱蕁麻疹を発症したり、軽い熱中症の症状を訴える関係者もいた。何がツラいって、涼む場所がないこと。欧州のエアコン普及率は約20%。ショー会場にエアコンがあるのは非常にまれで、学校や飲食店、美術館でさえエアコンがなく、仏政府が休校や店舗の閉鎖を推奨する始末だ。それでも、コレクションが中止というわけにはいかない。この記録的猛暑をブランドや来場者はどう乗り切ったのか。エアコン普及率90%超の日本では参考にならない(?)酷暑対策をリポートする。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月6日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「アイム メン」

エアコン・扇風機なしの屋内でショーを行った「アイム メン(IM MEN)」で初めて出合ったものがある。唯一ここで、使い捨てのアイスカイロが配布されたのだ。袋を叩くと冷たいカイロになり、火照った身体を冷やすことができる優れもの。夏の音楽フェスや、ケガの緊急冷却などアウトドアグッズの定番だそうだ。さらに、熱がこもりやすい会場内に長時間滞在しないよう、ショー開始直前までゲストを日陰の屋外で待機させるなど、少しでも暑さを和らげようとする工夫が見られた。
「ポール・スミス」
ミラノ2日目の締めくくりとなった「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、エアコンの効いたオフィスでショーを行った。エントランスでは、キンキンに冷えたおしぼりでゲストを迎え入れ、会場内では水や炭酸水を自由に手に取れるよう用意した。まさに都会のオアシスだ。「顔をおしぼりで拭くなんて…」と軽蔑されたとしても、この日の猛暑ではそんなことを気にしている余裕はない。滝汗が流れる顔や首元をぬぐい、ほっと一息。ようやくショーを楽しむ余裕を取り戻せた。
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