ファッション

歴史をアップデートし、未来へと思い出を紡ぐサウスゲートホテル沖縄 【トラベルライター間庭がハコ推し!】

旅の質が重視され、コンセプチュアルなホテルが求められている。旅先が目的ではなく、目的のために企画する旅も。那覇の泊港に5月23日にグランドオープンした「サウスゲートホテル沖縄」は未来の思い出を紡ぐためのホテル。映画の登場人物になった気分で滞在し、ホテルを舞台ととらえる“シネマティックバケーション”とはいかに。

泊港を拠点とすることで移動が軽やかに
沖縄旅のスタイルをアップデートするホテル

5月23日にグランドオープンした「サウスゲートホテル沖縄」はノスタルジックで斬新なホテルだ。もともとは泊港の複合施設「とまりん」で長く愛された「かりゆしアーバンリゾート那覇」を改築し、レトロな風情を残しつつ、洗練された空間に仕上げた。運営するのはウェディング・レストラン等の事業を展開するPlan・Do・Seeの傘下にある運営する統一ホテルブランド「PDS HOTELS]だ。青山ベルコモンズ跡地に生まれた「THE AOYAMA GRAND HOTEL」や静岡県の「おちあいろう」、任天堂旧本社社屋を生かした京都の「丸福樓」、兵庫県の「THE ORIENT」など、歴史を刻んできた施設を、今のニーズやトレンドを取り入れながら、その空気そのものを次世代に引き継いでいる。
 
那覇の中心地ともアクセスのいい泊港は、久米島や渡嘉敷島などの各離島、沖縄本島北部への玄関口でもある。「サウスゲートホテル沖縄」の支配人、宇野彰洋氏はこの地を拠点とする旅が今までの沖縄旅を大きく転換させると予測し、「今後は,街・海・滞在・食・体験が一つの拠点につながる新たな滞在モデルを構築する」と意気込む。

今までの沖縄旅といえば、空港からレンタカーで、恩納村などのビーチリゾート、やんばるエリアなどの北部に直行し、移動や渋滞が負担となっていた。けれど「サウスゲートホテル沖縄」つまり泊港を拠点とすることで、旅はより軽やかになる。港の施設内にあり、港と直結。ドアTOドアで離島に行ける感覚だ。

泊港は那覇空港から車で10分程度の距離にあり、国際通りなどの観光の中心地へも徒歩圏内というロケーション。水中観光船や慶良間諸島へのダイビング、ホエールウォッチングなどのマリンアクティビティーも、目の前から出発できる。車に頼らず、港を活用することで自由度が広がるのだ。ホテル内でレンタカーを手配できるので、必要に応じたドライブも楽しめる。

各所がフォトスポットのような館内は
シネマティックバケーションの舞台装置

「サウスゲートホテル沖縄」は1264年から続く泊港の歴史を過去のものにすることなく、継承し、未来へとつなぐ。そのレガシーを今の時代にフィットした価値に昇華するのが“シネマティックバケーション”というコンセプトだ。
 
以前からの大理石やタイルなどの重厚な素材をそのまま生かしたエレベーターホールには、ノスタルジックなジュークボックスが。緑に囲まれた中央の吹き抜けもそのまま生かした。

各レストランやバンケットからは圧巻の港ビュー。目の前で汽笛を鳴らし、出航していく船に胸が高まる。24時間利用できるジムなども港に面し、滞在中は泊港を常に感じながら過ごせる。そのどれもが記念撮影をしたくなり、映画のロケ地のようなのだ。

なかでも唯一無二なのはサウナ施設だろう。「ととのえ親方」こと松尾大氏監修による2種類の本格サウナと大浴場、水風呂、ルーフトップでの外気浴の無限ループで、港の潮風を感じながら整うことができる。ルーフトップのバーカウンターではドリンクも提供される。

「オーシャンサウナ」の大きな窓から、空がオレンジから紫へと移ろうマジックアワー、静まり返った夜のバスサウナで瞑想し、星空の下で外気浴。清々しい朝日とともに心身が目覚める朝サウナ、離島から泊港に戻り、旅を振り返りながらサ活など、時間の流れとともに、さまざまな景観に出合う。

「オーシャンサウナ」は7月15日から開業予定で、11時のチェックアウト後も、最大18時まで館内施設を満喫できるサ活プランも展開するという。

ハネムーンからグループ旅まで
幅広いニーズに合わせた13タイプ

客室は旅の目的に合わせて選べる13タイプ。ウッド素材をベースに、ペパーミントグリーンの壁、紺のチェック柄のファブリックなど、クルーズ船を思わせるようなインダストリアルなデザインは共通している。ベッドの上に互い違いにベッドを重ねた2段ベッドのバンクタイプも35室以上設け、4人が一室に滞在するグループ旅行にも対応。学生旅行が多い那覇では重宝されるだろう。

スタンダードな客室は限られた空間は、壁収納などを取り入ることで機能性を重視。大浴場があるので、シャワーブースのみの客室も多いなど、このあたりもニーズに合わせて設計されている。ツインとクィーンの2タイプ、眺めもシティビューとベイサイドから選べる。2段ベッドのバンクスタイル以外にも、靴を脱いでくつろげる小上がりや、ダブルベッド2台、家族4人で並んで寝られる定員4人のコンフォートなどの客室もあるので、小さな子どもとの家族旅行にも適している。ファミリーからカップル、学生の卒業旅行や研修旅行、長期出張など、あらゆる沖縄旅を想定しての展開だ。

プライベートサウナ&ビューバス、ミニキッチンやランドリーなどのあるサウスゲートスイートやジュニアスイートもそれぞれ6名で宿泊でき、人数が集まればかなりリーズナブルになる。216室のうち、12室にはミニキッチンが、43室にランドリーが付くなど、長期滞在にもうれしい間取りになっている。

チャイニーズ、沖縄そば、タイ料理など、
バラエティに富むレストランが6軒

館内にオープンするレストランは6軒。昼はブッフェ、夜はアラカルトやコースを提供する「The Sail Kitchen」とテラスの「NEW ORIGIN」、中華料理の「THE HARBOR PLACE」「CAFÉ&BAR」などがワンフロアで緩やかにつながり、朝は朝食会場となる。行列が絶えない沖縄そばの名店「EIBUN」も「みなとそば by EIBUN」として出店。タイ料理の名店監修による「Rassada Siam」も7月末にはオープンするなど、選択肢が多く、館内だけで過ごしたくなる充実ぶりだ。これは実は雨の日の多い那覇の街ではうれしいポイントとなる。

朝ごはんのブッフェでもそのメリットを生かし、和食、洋食以外にも、エビマヨや中華粥、ガーリックシュリンプ、インドカレーなどの中華や各種エスニック料理などを提供するという。さらには沖縄料理も充実。EIBUN監修の沖縄そばはもちろん、ジューシーやタコライス、イカ墨焼きそばやゴーヤの薩摩揚げなどのメニューもずらり。インバウンド層に受けそうなのが海鮮丼だ。まぐろやいくら、サーモン、甘エビや釜揚げしらすが盛り放題。海ぶどうや沖縄県産明太子などもトッピングできる。那覇、港の目の前というこの土地らしさを感じる豪華さだ。

夕暮れ時はサンセットで港全体が輝き、ムーディーに。「真栄里英樹BIGBAND」によるライブが毎晩開催され、よりJAZZYな雰囲気に。ホテルから一歩も出ずに過ごしたいと思うほどの環境だった。

国際通りまで徒歩圏内
中心地ならではの街歩きの楽しさも

ホテルの場所は国際通りまで歩いてすぐ。周辺には人気の居酒屋なども多いので、街観光、街グルメも気軽に楽しめる。館内のバーカウンターでも、サントリーと共同開発したグアバパフォーマーや唐辛子を使用したスパイシースカイボールなどのカクテルをテラスで風を感じながら味わえるが、那覇市内にもう一軒ある「PDS HOTELS」による「サウスウェストグランドホテル」のハッピーアワーもなかなかすごい。なんとワインもカクテルも500円。沖縄名産の柑橘をきかせた「たんかんクーラー」や泡盛ベースの「SHIKAKUのレモンサワー」など、街歩きの途中に飲みたくなる爽やかなカクテルも多く、10種のアルコール以外にも同じく10種のモクテル、お茶なども選べる。ハッピーアワーメニューにはなかったが、黒糖エスプレッソマティーニも絶品だとか。上質なバーが点在する那覇での、バーホッピングもおすすめだ。

空港からのアクセスも良く、自由に荷物を出し入れできるセルフロッカーも無料で利用できるので、最終日は荷物を預けて、街を歩いてみるのもいい。やちむん通りの工房でのシーサーつくり体験など、街でのアクティビティーも多彩なので、市内観光をしながら、この地ならではのおみやげを探してみよう。個人的には「とまりん」内にある天ぷらやさん「マーミヤかまぼこ」ははずせない。

空間と思い出そのものを受け継ぎ、
未来へとつなぐレガシーホテルとしての役割

那覇で唯一、港を望むチャペルがあり、最大400人集まれるバンケットも。ウエディング事業の会社が母体であるという理由もあるが、「サウスゲートホテル沖縄」はプロポーズの舞台になりえるホテルだ。実際、専属コンシェルジュがサポートするプロポーズプランなどもある。ちなみに赤い薔薇12本を用意、部屋にキャンドルライトや花びらなどの演出もあり、映画の1シーンのようなチャペルやルーフトップを貸し切ることもできる。

けれどもなによりもプロポーズの地として最適なのが、ここは時代を超えて、その歴史、価値を継承しているホテルであるということ。地域や地元の産業と連携し、訪れる人に思い出を提供するあたたかみもある。10年後も、20年後も、このスペシャルな空間は変わらず、時代に合わせて進化していく。時を重ね、家族が増えるなど、旅が違うスタイルになっても、心地よい滞在にシフトできる。この地でプロポーズし、挙式を揚げることが、未来の思い出づくりにつながる。

自分たちだけの映画の1カットをディレクションするように、撮影を楽しむ。未来にその「作品」を鑑賞するために。それこそがシネマバケーションの醍醐味なのかもしれない。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

HOSOO特集 日本文化の基層を成す絹と大麻から未来の産業をつくる

「WWDJAPAN」7月13日発売号は、京都・西陣織の老舗HOSOO特集です。「More than Textile」を掲げ、織物の可能性を拡張し、人々がまだ見たことのない西陣織の美を追求しているHOSOO。その探究の中で出合ったのが、江戸時代の絹(シルク)や大麻(ヘンプ)で織られた着物でした。その品質を現代に再現し、さらに超えることを目指し、絹、大麻ともに日本の在来種を用いて、原料生産から取り組む…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。