「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は4月24日、ウルトラ・プレミアム・ラインと位置付ける新しいフレグランス・コレクションの“センツォリウム”を発売した。全6種(各75mL)で、価格は6万2700円。既存の“レプリカ”(オードトワレとオードパルファンで、価格は100mLで約3万円)が「メゾン マルジェラ」のプレタポルテの世界観とつながるなら、“センツォリウム”(パルファン)は“アーティザナル”と称するオートクチュールに相当するラインだ。このため“センツォリウム”はまずOTBグループが手掛けるファッションブティックで先行販売。その後、ビューティに関するライセンス権を有するロレアル(L'OREAL)によるフレグランスのブティックでも販売予定だ。
“センツォリウム”はオートクチュールに相当するラインらしく、厳選した原材料を通じて人間の複雑な感情を表現。「メゾンマルジェラ」の代名詞とも言える「解体と再構築」の手法に沿い、透明感を引き出す「蒸留」、深みを与える「濃縮」、そして新しい側面を付与する「加工」というプロセスを経て製品化している。六つの香り(下記で詳細を説明)は、人間の一生をなぞらえながら「希望・怒り・驚嘆・覚悟・至福・狂気」という感情を表現した。
「メゾン マルジェラ」から新フレグランスライン “アーティザナル”の世界を描くウルトラ・プレミアムな6種
ファッションのオートクチュールは、顧客は全世界で数千人程度という限られた世界。むろん“センツォリウム”のターゲットはそれ以上だろうが、6万円台という価格を考えると、まずリーチすべき人たちはファッションブランドとしての「メゾン マルジェラ」のファンだろうという考え方は納得だ。業界ではファッションとビューティの融合が少しずつ進んでおり、例えば「ディオール(DIOR)」や「シャネル(CHANEL)」はぞれぞれ“ワン・ディオール”や“ワン・シャネル”と称して、組織においてもファッションとビューティの融合を進めている。
その意味において2022年、「ディオール」が表参道ヒルズの店舗をフレグランスやメイクアップ、スキンケアに加え、コスチュームジュエリーやサングラスなどのファッションアイテムもそろえる店舗としてリニューアルしたのは画期的だった。近年は「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」や「ラバンヌ(RABANNE)」などのメゾンを有し、アパレルからコスメ&フレグランスまでを網羅するプーチの存在感が増すなど、ファッションとビューティの距離は近づいている。
ファッションのスタッフにとって
ビューティ製品の販売は“二の次”
ただ実際の販売においては、課題も多い。例えば00年代、高感度セレクトショップの「リステア(RESTIR)」は、店舗で「ナーズ(NARS)」を取り扱うことでファッションラバーにビューティを提案したが、売り上げは伸び悩んだ。
最大の理由は、ファッションブティックのスタッフがビューティ製品の詳細を把握できなかったこと。そしてビューティ商材はファッションに比べると単価が安く、販売員にとって接客においても商品把握においても“二の次”になってしまったこと。こうした理由で、特にライセンス契約に基づくファッションブランドのフレグランスは、いまだビューティ独自のカウンターだけで販売されていたり、ごくごく一部の旗艦店でしか扱われていなかったりする状況が続いている。
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