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売り上げ倍増を継続 絶好調の「 メゾン マルジェラ『レプリカ』 フレグランス」のキーマンを直撃

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PROFILE: 成田浩明/日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部「メゾン マルジェラ フレグランス」 ブランド ジェネラルマネージャー

成田浩明/日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部「メゾン マルジェラ フレグランス」 ブランド ジェネラルマネージャー
PROFILE: 東京都出身、1987年12月16日生まれ。早稲田大学卒業。2011年日本ロレアルに入社後、ラグジュアリー化粧品のマーケティングを担当。転職し、米食品企業のポートフォリオ マネージャー、仏化粧品企業のマーケティングディレクターを歴任。20年に日本ロレアルに戻り、パリ本社でアジア太平洋地域のマーケティングディレクターとして活躍。3年の本社勤務を経て、23年7月から現職 PHOTO:SHUHEI SHINE

フレグランス市場が拡大する今、売上高が毎年3ケタ増と絶好調なのが「メゾン マルジェラ『レプリカ』フレグランス (MAISON MARGIELA REPLICA FRAGRANCE)」(以下、レプリカ)だ。古いデザインに新解釈を加える「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」(以下、「マルジェラ」の)ファッションラインの“レプリカ”のフレグランスラインとして2012年にスタート。“記憶に残るフレグランス”をテーマにしたストーリー性のある香りが若年層から絶大な支持を得ている。表参道キャットストリートの旗艦店を筆頭に16店舗を構え、ECの売り上げも好調。多数あるファッションブランドのフレグランスとは一線を画する独自のポジショニングを築いている。「レプリカ」が支持される理由や好調理由を成田浩明・日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部「メゾン マルジェラ フレグランス」ブランド ジェネラル マネジャーに聞いた。

ファッション好きから支持の高い「マルジェラ」を香りで伝える

WWD:フレグランス「レプリカ」のブランドコンセプトは?

成田浩明・日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部「メゾン マルジェラ フレグランス」ブランドジェネラル マネジャー(以下、成田):ファッションライン同様に、各香りに場所やテーマがあり、調香師の記憶や空気感をボトルに詰め込んでいる。フレグランスというと、トップ、ミドル、ラストノートなど小難しく、敷居が高いイメージがあった。だが、「レプリカ」では原材料ではなく、香りをポラロイドのイメージを通して記憶やストーリーとして伝えている。

WWD:フレグランス「レプリカ」誕生の背景と目的は?

成田:「マルジェラ」はユニバーサルかつ男女共に広がりがあるブランドで裾野が広い。日本市場ではブランドの認知度が非常に高く、好きな人が多い。以前フレグランスはファッション好きのコアターゲット中心の展開だったが、より多くの人に届けるのが目的だ。ファッションの世界観を伝えるため、店舗やEC全てワン「マルジェラ」のイメージで統一した。

WWD:ファッションの世界観をどのようにフレグランスに反映しているか?

成田:創業者のマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)によるアバンギャルドな面とジョン・ガリアーノ(John Galliano)が加わり時代と共に進化した2つの側面がある。「レプリカ」では、初代マルジェラをイメージさせる白を基調に商品や店舗をデザインし、ファッションのアイデンティティーを盛り込みながら紹介している。

一方、今年再登場した”レプリカ オードパルファン“はガリアーノにインスパイアされたラインで、黒いパッケージになっている。カルト的な人気があったオードパルファンが進化を遂げ、温故知新を象徴するラインになっている。

WWD:オードパルファンを再登場させたのは?ガリアーノの退任が発表されたが?

成田:オードパルファンは16年に登場。当時は、強めの香りであまり反応が良くなかったため、一度販売を終了した。だが、フレグランスに対する需要が飛躍的に伸び大きなカテゴリーになった。ファッションのファンから絶大な支持もあったので、新コンセプトで復刻した。ガリアーノは退任したが、ファッションブランドはどのブランドでも、時代により刷新されるもの。その積み重ねた歴史がブランドを築く。だから、デザイナーが変わってもその歴史が紡がれ深みが出て、ブランド自体の記憶として刻まれていく。

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