埼玉・飯能の湖畔に、世界中に広がる“KAWAII”を体現した空間が立ち上がっている。アーティストの増田セバスチャンは大規模個展「KAWAIITOPIA -GO TO HEAVEN(HELL)-」を、埼玉・飯能市にあるメッツァビレッジ内の現代美術館「ハイパーミュージアム飯能(HYPER MUSEUM HANNO)」で開催中だ。
本展は、単なる作品展示ではなく、増田が長年提唱してきた“KAWAII”という概念そのものを現代アートの中で再定義する試みになる。原宿から世界へと拡張してきたこのカルチャーを、没入型インスタレーションとして再構築する。編集者で「ハイパーミュージアム飯能」の館長でもある後藤繁雄氏は「”KAWAII”を、単なるサブカルチャーの現象とだけ捉えるのをずっともったいないと感じていた。日本発のカルチャー&ファッションのムーブメントで世界に拡散し続けている”KAWAII”を現代アートの文脈の中で再定義したかった」と本展の狙いを語る。
タイトルに掲げた「KAWAIITOPIA」は、“KAWAII”と“UTOPIA(理想郷)”を掛け合わせた造語。混沌とした時代における精神的な拠り所としての“KAWAII”を提示する。価値観が分断される現代において、多様性を内包する個の感覚がどのように社会と接続し得るのか――その問いが展示全体を貫く。内覧会には、世界中から「6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)」や”KAWAII”カルチャーの熱狂的なファンや信奉者が世界中から飯能に集結した。アーティストの増田セバスチャンは、これまで米国やブラジル、南アフリカなど海外で展覧会やワークショップを行い、4年前からはニューヨークに拠点を移し、精力的に海外でも活動してきた。増田さんは「どこに行っても熱狂的な”KAWAII”の信奉者がいることを実感している。キッチュな小物やアクセサリーで自分を飾り立てる”KAWAII”ファッションは、日本ならではのパンクであり、レジスタンスであり、平和活動だと思っている。今回は現代アートという文脈で、これまでの歩みや今感じていることを先鋭化した表現に落とし込んだが、老若男女問わず楽しめるエンターテインメント性も備えていると自負している」という。また、会場内には今年でスタート30周年を迎える増田セバスチャンのブランド「6%DOKIDOKI」のポップアップストアも併設。ここでしか買えないアイテムも販売する。
奇しくも、増田セバスチャンがアートディレクションを務めたミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」(堂本光一、観月ありさらが出演)の再演が3月27〜31日に同じ埼玉・川越の「ウェスタ川越ホール」で実施(なお、同公演は4月7〜29日に東京の日生劇場でも上演)。5月16日には西武鉄道の池袋発飯能行きの特急ラビューとコラボレーションし、1日限りの特別列車「KAWAII」トレインを走らせる(要事前予約)など、3月の埼玉はなぜか「KAWAII」ワールドに包まれる。春休みに日本発の「KAWAII」カルチャーを、ぜひ埼玉で体感してほしい。
■増田セバスチャン「KAWAIITOPIA -GO TO HEAVEN(HELL)-」
日程:3月14日〜8月30日
時間:10:00〜17:00
場所:ハイパーミュージアム飯能
住所:〒357-0001 埼玉県飯能市宮沢327−6 メッツァビレッジ
入場料:(前売)おとな 1000 円、こども(4 歳〜高校生)500円、(当日)おとな1200円、こども(4歳〜高校生)700円