
「ラルフ ローレン コレクション(RALPH LAUREN COLLECTION)」は現地時間1月16日、イタリア・ミラノで2026-27年秋冬メンズコレクションを発表し、ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークの口火を切った。メンズコレクションとしては02-03年秋冬以来となるイタリアでのショーだ。スタイリングの妙、遊び心あふれるテイストのリミックスによって、カジュアルな「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」から「ラルフ ローレン パープル レーベル(RALPH LAUREN PURPLE LABEL)」のイブニングまでをシームレスに接続。一つの壮大な“ラルフ ローレン”の世界として成立させてみせた。
ショーの幕開けは「ポロ ラルフ ローレン」。スポーツ、カレッジ、ハンティングといったアメリカの生活様式を、巧みなレイヤードで現代的に再構築した。際立ったのは、アメリカ西部の荒野を思わせるラギット感と、90年代ストリートのミクスチャーだ。ペンキ加工が施されたバギーシルエットのデニムや、フリンジが揺れるスエードジャケット、ウエスタン柄セーターに、「ポロ スポーツ(POLO SPORTS)」の鮮やかなカラーリングのラガーシャツやボアベスト、ダウンジャケット。長い時を経て使い込まれたようなエイジング感と、スポーティーな要素が混ざり合う。
そこから英国的なカントリースタイルやトラッドな要素を取り込み、世界観は徐々に深みを増していく。ツイードのセットアップにあえて使い込んだレザーブルゾンを羽織るスタイリング。あるいは、高貴な真紅のミリタリージャケットにダメージ加工のデニムを合わせるグランジ的アプローチや、タータンチェックのジャケットにパッチワークデニムとカウボーイハットを合わせる折衷主義。「ポロ」らしい自由な遊び心がありながら、重厚なレイヤードやアイテム使いが、後に続くラグジュアリーな世界観へと緩やかに接続していくグラデーションを感じさせた。
そして、ゴールドのパイピングが入ったベルベットのタキシードジャケットや、ドラマチックなケープスタイルが登場すると、ランウェイは「パープル レーベル」の章へ。キャメル、スエード、そしてグレーといったワントーンで統一されたルックの数々は、色数を絞ることで、カシミアの光沢やスエードの起毛感といった素材そのものの豊かさを鮮やかに浮かび上がらせる。
ただのイブニングでは終わらない。ウイングカラーシャツ+ボウタイには、タキシードではなくスタジャン、カウチンニット、ナイロン素材のオールインワン、ファーコートといったカジュアルアウターを合わせたり、アルパインブーツを合わせたりして、“正装”を心赴くままに着崩す。フォーマルとスポーツ、ミリタリーを衝突させ、「ラルフ ローレン」らしいアメリカン・ラグジュアリーを表現した。
そして、「ポロ」と「パープル レーベル」の両コレクションを跨いで展開されたのが、ネイティブ・アメリカンであるチリカウア・アパッチ族との継続的なパートナーシップの下で作られたクラフトだ。ターコイズをあしらったハンドメイドのベルトバックルやシルバージュエリー。これらはブランドの「オーセンティック メイカーズ」プログラムの一環として、伝統工芸を継承する職人を招き、伝統技法によってデザイン・製造されたもの。ブランドと部族の芸術性を、オーセンティシティー(本物)という絆で繋ぎ合わせ、深みを加えた。
ラルフ・ローレン氏は今回のコレクション制作について、「男性たちの多様な生き方、個性、パーソナルスタイルに着想を得ました。パープル レーベルの気取らないエレガンスからポロの新たなプレッピースピリットまで、これらは私が歩んできた世界、そして信じる世界観を映し出しています」と語る。スポーツ、カントリー、ワーク、グランジ、イブニング。一人の男性が歩むライフスタイルを多彩なスタイリングでリミックスし、普遍的で刺激的なスタイルへと昇華させた。米国の人々と共に歩み、彩ってきた「ラルフ ローレン」だからこそ成し得たショーだった。