サステナビリティ
連載 エディターズレター:SUSTAINABILITY 第41回

課題多き「アップサイクル」 「アナザーアドレス」はそれをクリアし可能性の扉を開いた

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大丸松坂屋百貨店のファッションサブスクリプションサービス 「アナザーアドレス(ANOTHERADDRESS)」が主催するアップサイクルのコンテスト「ループアワード(roop Award)」に審査員として参加し、素晴らしいコンテストだと思いました。

リメイク前より価値が向上していない「アップサイクル」が多すぎる

サステナビリティ担当者として「アップサイクル」という言葉には、常に警戒気味に接しております。なぜなら、元の製品より価値が向上(アップ)していないのに「アップサイクル」の言葉で装飾し、良いことかのように訴求している製品が世の中にたくさんあるからです。「アップしているか否か」は無形の価値なので、作り手が自信をもって言い切るのであれば周囲は否定はできません。でも「正直言ってそれ、着なくなった服に、少し手を加えただけですよね」と思えてしかたない、アップサイクル製品があります。

誤解を招きたくないのは、着なくなった服を廃棄せず活用するのはとても良いことです。でも作り手自身が胸を張って「元製品より価値が向上した」と思わない製品は、アップサイクルではなく「リメイク」と表現した方が誠実です。「アップ」という言葉は受け取り手に期待を抱かせるからです。期待を裏切る訴求は、グリーンウォッシング。価値が伴わないアップサイクルが広がると、リメイク製品自体の価値を下げかねません。

アップサイクルの技法はパッチワークだけじゃない

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