ファッション

「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」2015春夏パリ 算数の時間を思い出す!?ハッピーなグラフィック・マーチ

 ランウェイを囲むのは、古材と思われるベニヤ板の継ぎはぎ。そこに見るパッチワークのアイデアは、先シーズンから続き、今季も「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)」のベースとなっている。

 テーマは“グラフィック・マーチ”。複数の素材からなる小さなピースの素材をはぎ合わせる手法は前シーズンよりも複雑になっている。コンパスでクルクルと描いた円を重ねるように、丸と丸が重なり、重なった部分は色や素材を変える。テンションの異なる素材の調和を持ってはぎ合わせるにはパターンの力とバランス感覚、手作業にかける時間を必要とする。ハリのある素材はパテントレザーにも見えるが、リアルレザーは使用していない。

 規則的な凹凸は、一見生地を折っているようだが、これもまた、小さなピースを立体的につなぎあわせたもの。気の遠くなるような細かな作業の連続だ。色は、赤、ピンク、水色、黄色に紫、そして黒と白。塗り絵のようにカラフルに組み合わせたポップな色使いは、複雑な制作工程の“重み”を払拭する。

 後半には、ボーダーTシャツやライダースを転写プリントしたカットソーの肩の部分にだけ丸いパーツを組み合わせるなど、よりリアリティのある提案も。ハッピーでポップな世界観がコマーシャルラインでどのように落とし込まれるのかが注目だ。

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