ファッション

名門生地メーカートップに聞く「メード・イン・イタリーの強みと課題」 高額品の拡大とサステナビリティ、産地の人手不足

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素材見本市「第37回 ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」がこのほど閉幕した。コロナ明けでアジア圏からのバイヤーが戻ったこともあり、来場社数は4701社と前年から16%増えた。今回はトレンドテキスタイルの集積エリアをサステナブルな素材に限定したり、メタバースブースを新設したりなど、新たな試みも目立った。名門テキスタイルメーカーのヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VITALE BARBERIS CANONICO)のトップで、ミラノ・ウニカの会長も務めるアレッサンドロ・バルベリス・カノニコ(Alessandro Barberis Canonico)氏に聞いた。

WWD:「ミラノ・ウニカ」全体の手応えは?

アレッサンドロ・バルベリス・カノニコ=ミラノ・ウニカ会長(以下、カノニコ会長):出店社数、来場バイヤー数ともに年々増加傾向にあり、とても上手くいっている。イタリアのテキスタイル市場も好調だ。世界的に高級品市場が盛り上がっている。イタリアのテキスタイルメーカーへの期待に応えるため、展示ブースでも全体的に高級感を出すことを意識した。ビキューナやウール、軽量で柔らかなコート地など最高級素材を楽しんでもらえたと思う。

WWD:今回は新たにメタバースブームを設けたが、狙いは?

カノニコ会長:10年後には、メタバースの存在感はさらに強まっていると見ている。たとえばバーチャルな店舗で試着し実店舗で購入するというような、オン・オフを行き来するような購買体験がもっと浸透しているはず。それにはアバターの再現度が要だが、「フォートナイト」のアバターには驚いた。現実の見た目により近いアバターができれば、メタバース上のファッションに求められる価値も変わってくる。ただ本音を言えば、私はVRゴーグルを装着してメタバースブース空間に入ったら、15分でめまいがした(笑)。今後の技術の進歩を期待したい。

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