ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ報道が「ピュリツァー賞」を受賞

アワード社会情勢

2018/4/17 (TUE) 05:30

 米コロンビア大学は4月17日、ジャーナリズムや文学、音楽などにおいてアメリカで最も権威のある賞といわれている「ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)」の受賞者を発表した。

 21ある部門の中でも最も栄誉とされる「公益賞」は、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)のセクシャル・ハラスメント問題を報道した「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」と「ザ・ニューヨーカー(The New Yorker)」が同時受賞。ハーヴェイのセクハラ問題を機に、多くの女優・モデルが被害をSNS上で告発する「#MeToo(私も)」のハッシュタグのムーブメントが生まれたことも「インパクトの強いジャーナリズム」と評価された。

 ハーヴェイのセクハラ問題はカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)がドイツの新聞に風刺画を寄稿したことでも話題となり、出版社のコンデナスト(CONDE NAST)やマイケル・コース ホールディングス(MICHAEL KORS HOLDINGS)はこの問題を機にセクハラ疑惑のある大物写真家を追放するなど、ファッション業界でも大きな動きを見せた。

 また、音楽部門では昨年4thアルバムとなる「DAMN.」を発表し、“社会派ラッパー”として知られるケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が受賞した。2008年にボブ・ディラン(Bob Dylan)が「特別賞」を受賞したことを除くと、1943年の同賞創設以来クラシックやジャズ以外のジャンルが受賞するのは初めて。もちろんヒップホップ作品としても初となる。選考理由について委員会は「現代のアフリカ系アメリカ人の複雑な人生を克明に捉え、彼らの言葉や文化を音楽によってまとめ上げている名曲集」と高く評価した。

 「DAMN.」は昨年の第60回「グラミー賞(Grammy Awards)」で「最優秀ラップ・アルバム賞」「優秀ラップ・ソング賞」「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」「最優秀ラップ / ソング・パフォーマンス賞」「最優秀ミュージック・ビデオ賞」とラップ全部門を含む5部門を受賞。また、前作の「To Pimp A Butterfly」はアメリカ国内での差別や警察の暴力問題などに対するメッセージ性が高く評価され、第58回「グラミー賞」で11部門にノミネートされ5部門を受賞した。なお、ケンドリックは7月にヘッドライナーとして「フジロックフェスティバル ’18(FUJI ROCK FESTIVAL’18)」への出演が決まっている。

 「ピュリツァー賞」は、ハンガリー系アメリカ人ジャーナリストのジョーゼフ・ピュリツァー(Joseph Pulitzer)の遺言により1917年に創設。これまでの主な受賞者に、ベトナム戦争の空襲から逃げ惑う瞬間を写した「戦争の恐怖」のフィン・コン・ウト(Huynh Cong Ut)や、ハゲワシが餓死寸前の少女を狙っている写真「ハゲワシと少女」のケビン・カーター(Kevin Carter)、大手通信社のAP通信、ハフポスト(HuffPost)などが挙げられる。

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