ファッション

設楽洋・社長が語るビームスがロンドンに現地法人を設立した狙い

 ビームス(BEAMS)は2017年11月10日、ロンドンに現地法人ビームス&コーUKを設立した。ビームスの金田英治・執行役員経営企画室長が最高経営責任者を兼任し、役員は戸田慎・海外戦略部係長とこれまでビームスの海外活動をサポートしてきた日野達雄氏が務める。「協調」「協業」「協同」を理念に掲げ「文化の点と点をつなぎ、新しい文化を発信すること」を目指す。

 大きく分けて4つの事業に取り組む。1つ目はブランドとの取り組みで、日本ブランドの海外進出のサポートと海外ブランドの日本市場参入のサポート。2つ目は日本企業および日本コンテンツの海外進出のサポート。伝統工芸など日本文化の奥深さや本物へのこだわりを発信する。3つ目は国内外のアーティストのマネジメント事業。4つ目は、各種撮影のコーディネートや広告プロダクションとしての活動だ。 

 設立の理由を設楽洋ビームス社長は「40周年を迎えた16年に日本のイイモノを海外に伝えていくべきだと考え、まずは新宿のビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)を“メード・イン・ジャパン”に特化した店に刷新したが、ロンドンの現地法人はその発信基地の役割を担う。われわれの強みであるキュレーション力を生かしていく。また、日本のデザイナーが海外に出る支援も行いたい」と述べる。また「これからの時代、自分たちの特徴を踏まえた上で、それを生かしながらも、これまでの枠を超えたファッションビジネスに取り組み『その手があったか!』という次の事業につなげていくことが必要だ」と語気を強める。

 ビームスはこれまでも13年から、ロンドン拠点のメンズファッションeコマースサイト「ミスター ポーター(MR.PORTER)」の日本での買い付けサポートを行ってきており、協業でカプセルコレクションを企画し、日本の6ブランドとスペシャルコレクションを発表したり、また、ロンドンの百貨店ハーヴェイ・ニコルズ(Harvey Nichols)に日本の雑貨を紹介するポップアップストアを開いたりした実績がある。

 17年7月にはユニクロ(UNIQLO)とロンドンベースの人気ブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」とのコラボレーションのオンラインキャンペーンの企画と撮影プロダクションを手掛けるなど、広告制作にも着手。加えて、ロンドンの人気ロックバンド「ザ・エックス・エックス(The xx)」とのコラボレートアイテムの企画・制作や、日本におけるバンドのプロモーション業務を担うなどしてきた。

 17年12月1日からは、エースホテル・ロンドン・ショーディッチ(Ace Hotel London Shoreditch)のレセプションエリアに3カ月間の期間限定店を開いている。ビームスの自社製品をはじめ、東急ハンズ(TOKYU HANDS)のオリジナルライン「ハンズプラス(hands+)」やメンズのタウン仕様の機能ウエアブランド「テアトラ(TEATORA)」、 AJIOKA.が手掛けるメンズレザーグッズの「ガンゾ(GANZO)」などの国内ブランドをそろえた。また、日本国内で70以上の販売拠点を持つ「テアトラ」の海外進出サポートのため、1月9~12日に開催されたピッティ・イマージネ・ウオモに出展した。

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