「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングの2026年8月期連結業績は、売上高に相当する売上収益が前期比16.6%増の3兆9633億円、営業利益が同31.7%増の7431億円、純利益が同25.3%増の5425億円だった。海外ユニクロ事業がけん引して、5期連続で過去最高業績を更新した。売上高(円ベース)では、スウェーデンのH&M(約3兆6000億円、25年11月期)を抜いてアパレル専門店の世界2位に浮上した。
成長エンジンになっているが海外ユニクロ事業だ。売上収益は前期比26.2%増の2兆4111億円に達した。地域別にみると、グレーターチャイナ(中国本土など)が同11.3%増の7240億円、韓国・東南アジア・インド・豪州が同30.7%増の8094億円、北米が同34.6%増の3649億円、欧州が同38.7%増の5126億円。長らくアジアに偏重してきたが、現在では北米・欧州の割合が36%を占めるまでになった。海外ユニクロ事業の営業利益は、同44.9%増の4481億円に大幅拡大した。
前期に売上収益1兆円を突破した国内ユニクロ事業も同5.7%増の1兆848億円と成長を持続した。既存店売上高は同5.1%増。年間を通じてウルトラストレッチパンツ、UVカット、バレルパンツといった機能性やトレンド性に優れた商品がよく売れた。国内ユニクロ事業の営業利益は、同6.6%増の1966億円で着地した。
「ザラ」「ユニクロ」「H&M」、そして「シーイン」
ファーストリテイリングは16年8月期に米ギャップを抜いてアパレル専門店の売上高で世界3位になった。当時の売上高が1兆7864億円だったため、10年間で2倍以上に成長したことになる。一方、H&Mは10年前の2099億2100万スウェーデンクローナに対し、直近(25年11月期)は2282億8500万スウェーデンクローナと成長が鈍化していた。
首位で「ザラ(ZARA)」を運営するインディテックスの約7兆円とは、まだだいぶ差がある。ただインディテックスの売上高の伸び率が1ケタ台であるのに対し、ファーストリテイリングはこのコロナ禍以降2ケタ成長で猛追してきた。店舗数はインディテックスが約5500、ファーストリテイリングが約3500。欧米やアジアで出店余地があるのもアドバンテージとなる。
アパレル専門店の範疇には入らないが、EC(ネット通販)で急成長するウルトラファストファッションのシーインもライバルといえる。上場したのを機に発表した25年12月期の売上高は約6.5兆円で、ファーストリテイリングを上回る規模だ。しかし26年1〜6月期は売上高が1.0%増、営業利益が52.9%減と急ブレーキがかかっている。米国と欧州で小口輸入の免税措置が撤廃されたことが大きな打撃になった。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は常々「世界一のアパレル企業を目指す」と公言してきた。「ユニクロ」は「ライフウエア(究極の普段着)」を掲げて、日本国内では幅広い世代の支持を集め、市場シェア1割を超える存在になった。海外でも同様のポジションを築ければ、発展の余地は大きい。
今期(27年8月期)の業績予想は、売上収益4兆4500億円(前期比12.3%増)、営業利益8300億円(同11.7%増)、純利益5600億円(同3.2%増)とする。引き続き2ケタ増収で、売上高を約5000億円上乗せする。