フランス発の植物療法(フィトテラピー)推進医学協会「AMPP」はこのほど、アジア支部を設立した。10月2日、東京・日本橋のCCIFJ在日フランス商工会議所で設立記念発表会を開いた。
アジア支部では、フィトテラピーの浸透を目指し、27年度に「フィトテラピー検定(仮称)」の実施を予定する。フランスの大学と協働でサイエンスを取り入れた植物療法の勉強を学ぶ仕組みを作ることで、学ぶ入り口を広げ、知識を持つ人材の裾野を広げる狙いだ。また、AMPP認定教育機関「ルボア フィトテラピースクール」に蓄積されたフランス式フィトテラピーの教育・実践の知見を生かし、台湾やマレーシアをはじめとするアジア各地に学びの機会を広げる。
さらに、妊娠・出産や産後、更年期、高齢期といった女性のライフステージに伴う健康課題を念頭に、産婦人科医をはじめとする医療従事者と植物療法の専門家との連携を強化する。超高齢社会が進む日本で医療と植物療法が連携する実践例を積み、共通の課題を抱えるアジア各国への展開につなげる。
日本で約30年間普及に取り組み、アジア各国から打診
アジア支部の設立を主導したのは植物療法士でサンルイ・インターナッショナル代表の森田敦子氏だ。アジア支部の代表も務める。森田氏は約30年前にフランスで植物療法を学び、帰国後、日本でその普及に取り組んできた。フランスで学んだ植物療法を日本でも学べる環境を整えるため、教育機関「ルボア フィトテラピースクール」を設立。AMPPの認定校として植物療法の教育を続けてきた。
今回、アジア支部の設立に踏み切った背景には各国からの要請がある。森田氏は、中国、インドネシア、ベトナム、台湾などから、現地で植物療法を学ぶ仕組みづくりについて打診を受けてきたという。また、女性の健康課題に対する社会的な関心の高まりも後押しとなった。
フランスと日本の医師らが医療との接点を議論
設立記念発表会には、AMPP創設者でフランスの産婦人科医、ベランジェール・アルナール医学博士が来日したほか、第8代ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏、医学博士の松峯寿美氏と対馬ルリ子氏、昭和女子大学客員教授兼ジャーナリストの白河桃子氏らが登壇した。
アルナール医学博士は、通常の医療と植物療法を切り離すのではなく、女性の健康を包括的に支える中で植物療法を位置づける考えを説明した。日本の医師らも、女性のライフステージに伴う健康課題や現代女性特有の社会的環境要因を背景に、植物療法を取り入れる意義を明示した。森田氏は彼らのバックアップに感謝の意を示し、「多くの先駆者たちが40年、50年と女性の体や健康に向き合ってきて今がある。私もともに伴走したい。今後も期待してほしい」とコメントした。