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これからのファッションを担うネクストリーダーのスタイルとは

 2000号では、これからのファッション業界を担う重要な“ネクストリーダー”を14人選定した。すでに第一線で活躍しているが、10年度、20年後には今以上に、ファッション業界をリードしているであろう人たちだ。彼らのターニングポイントはいつだったのか、またファッション業界をどうけん引していきたいのか――。まずは小木“POGGY”基史ユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)原宿本店ディレクター(以下、小木)、井野将之「ダブレット(DOUBLET)」デザイナー(以下、井野)、長尾悦美・高島屋 スタイル&エディット(STYLE & EDIT)バイヤー(以下、長尾)の3人から紹介する。

スタイルを身につける楽しさを
伝えることには自信がある

小木“POGGY”基史

WWDジャパン(以下、WWD):これまでのターニングポイントは?

小木:3点ターニングポイントがある。2002年ごろ、ショップスタッフからカジュアル担当のPRになった時。2点目は、06年にUAからヒップホップとトラッドをミックスするスタイルを提案するリカー、ウーマン&ティアーズ(LIQUOR,WOMAN & TEARS)をディレクターとして立ち上げ、そのころから海外のストリートスナップに掲載されるようになったこと。3点目が、10年にUA本体のドレス部門に移りUA&サンズをスタートした時です。

WWD:今後の目標、夢、野望など、将来ファッション業界でどうしていきたいか?

小木:今、SNSを通じて世界のファッションが同質化して来ていると思います。セレクトショップで学び、世界の良いものや、歴史、それぞれの良い部分を踏まえながらの日本独自のスタイルある(変わった?)着こなしがこれからもっと重要になってくると思います。僕は自分のことをオシャレだと思ったことはありません。ただ、ファッションを通じてスタイルを突き詰め、スタイルを身につけることの楽しさを伝えることには自信があります。それを世界に伝えていくことが出来たらと思っています。半年ごとの流行を楽しむのがファッション(モード)、何を着て何を聞く、何を着て何を食べに行く、何を着て何に乗るなどをずっと繰り返し。Tシャツを着てもスーツを着てもその人らしく見える、というのがスタイルだと思います。個からにじみ出るものというのでしょうか。いくら洋服を買ってもスタイルを身につけられない人もいますし、スタイルはお金では買えないものです。

取引先店舗と一緒に考え、
みんなが楽しめる。
それがリアルだと思う

井野将之

WWD:「ダブレット」立ち上げの経緯は?

井野:高校生の時からずっとファッションデザイナーになりたいと思ってきました。「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」の三原康裕さんは、一から仕事のやり方を叩き込んでくれた師匠で本当に感謝しています。在職中は当たり前ですがデザインの最終ジャッジは三原さんであり、自分の企画が通らなかった時に徐々に徐々に、そのアイデアを世に出したい、という気持ちが強くなりました。良くも悪くも自身で最終ジャッジし、モノ作りをしたいという気持ちが強くなり、自分のブランドを持ちたいと高校生の頃に熱く思っていた気持ちを思い出しました。在職の時は靴・小物のみの企画生産管理で、靴のブランドを立ち上げるのではミハラヤスヒロの二番煎じのブランドにしかならないと思っていた時に、パタンナーである村上高士が賛同し関わってくれたことにより、学生時代しか洋服作成の経験のない自分が、トータルアイテムの「ダブレット」を立ち上げることができました。

WWD:立ち上げからこれまでターニングポイントは?

井野:2016-17年秋冬コレクションです。このシーズンはただただ良くも悪くも出し切ろうと思い、自分が培ってきた経験をドロッと思い切り出そうと自分の青春時代の経験を元にデザインしました。これがダメだったら何をデザインしてもダメでは、というくらいの覚悟をした“博打”的なシーズンでした。このシーズンでパリのコレット(COLETTE)との取引が決まり、17年春夏パリ・メンズ。ファッション・ウイーク中にコレットのウインドーディスプレーを飾ってもらえたおかげで、海外からの問い合わせが来るようになりました。しかしその時、日本展示会スパンでやっていたため海外から、「今パリなんだけどどこの展示会場で17年春夏コレクションを見られる?」と問い合わせが来ても、「まだサンプル作っています」という状態でした。興味を持った人に見てもらうことすらできないということが悔しく、「次の17年秋冬シーズンは絶対にパリで展示会をやろう」と思い、それを実現できたことがターニングポイントだと思います。

WWD:今後の目標、夢、野望など、ファッションでどうしていきたいか、を教えてください。

井野:この1年は、海外ではロサンゼルスのブランド「424」とのコラボレーションや、ニューヨーク、ロンドンのドーバーストリートマーケット(DOVER STREET MARKET)でのインスタレーション、台湾のワンフィフティーン(ONEFIFTEEN)でのポップアップ。日本ではウィズム(WISM)でのインスタレーションや、ミッドウェスト(MIDWEST)とのポップアップなど、国内海外問わず取引先と一緒にイベントができたということはとても良い経験でした。ブランドとして僕たちにできることは商品を作ることだけではなく、その商品を店の先にいるお客さまにどう届けることが喜んでもらえることなのかを、学べました。僕らは、直営店を持っていませんし、直営店を出すつもりもありません。取引先の店と一緒に考え、協力し、打ち出し、みんなが楽しめる、それがリアルなことだと思っています。今後もお店と取り組むイベントを継続し、拡大していきたいと考えています。いつかは全世界の取引店舗で地域に合わせた全て内容の違う「ダブレット」のコレクションを一斉に発売する、とかやってみたいです。ファッションでどうしていきたいか、というかファッションというツールを使って取引先と一緒に何ができるのか、を日々考えています。まだまだ全然できていないのですが……(苦笑)。目標です!

どんなカタチでも
ファッションに関わる仕事につなげたい

長尾悦美

WWD:スタイル&エディットバイヤーになった経緯は?

長尾:前職で販売員をしてた時にお客さまのご縁でスタイル&エディットを知り、転職しました。

WWD:バイヤーになってからこれまでのターニングポイントは?

長尾:バイヤーになってから1年ぐらい経って、スタイル&エディットのPRも兼ねて個人のインスグラムを本格的にスタートしたころです。

WWD:今後の目標、夢、野望などは?

長尾:好きなファッションを着て、どんなカタチでもファッションに関わる仕事につなげて行けたら幸せです。いつか小さな自分のお店を持ちたい。


最新号紹介

WWD JAPAN

2020年春夏、コロナ禍でも売れたものは何だった? 富裕層の高額品消費意欲は衰えず

「WWDジャパン」9月21日号は、「2020年春夏、有力店で売れたもの」特集です。WWDで毎シーズン恒例となっている有力店の商況調査ですが、コロナ禍に見舞われた今春夏は、多くの商業施設が営業を再開した6~7月の期間で消費動向や好調なブランドを調査しました。化粧品、特選、婦人服、紳士服などの9つのカテゴリー別に各店のデータをまとめています。コロナで大苦戦という声が大半を占めると思いきや、こと特選カテ…

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