ファッション

「MSGM」デザイナーが語る“インスタ映え”とロゴブーム

 SNSの普及により、ファッションでも“インスタ映え”するか否かがビジネスに大きく関わるようになった。昨今はメンズ、ウィメンズを問わず、華やかなカラーリングやロゴの大々的な使用など、瞬間的に「いいね!」と共感してもらいやすいキャッチーなデザインが流行している。そんなデザインをいち早く提案し、若い世代を中心に支持を得てきたのが「MSGM」だ。伝統やクラフツマンシップに偏重しがちなイタリアのブランドの中で異彩を放つマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)=デザイナーは、現在の“インスタ映え”するファッションの流行とSNSについて何を思うのか。またそのクリエイションのルーツとは。

WWDジャパン(以下、WWD):他のイタリアブランドと「MSGM」の違いは何だと思う?

マッシモ・ジョルジェッティ「MSGM」デザイナー(以下、ジョルジェッティ):イタリアはクラシックを軸にするデザイナーが多いけど、「MSGM」はアメリカやイギリスなど、広い視点でグローバルな感覚を取り入れている。そこが他との大きな違いかな。それとクラシックやフェミニンに、ストリートウエアの要素を加えるのが『MSGM』のDNA。今では当たり前になっているけど、どこよりも早かったと思う。

WWD:なぜストリートウエアの要素を加えようと思った?

ジョルジェッティ:1999年からデザインを始めて、Tシャツやスエットを作っていた。当時からインディーミュージックやロックに影響を受けていたので、ストリートウエアの要素を取り入れることは自然な流れだった。正直、若い頃はミラノが好きじゃなくて(笑)、ニューヨークやロンドンに影響を受けていたから、グローバルな感覚はそこで磨かれたのかも。今はミラノも好きだけどね。

WWD:デザインする際に“インスタ映え”は気にしている?

ジョルジェッティ:“インスタ映え”するアイテムが売れる流れはとてもおもしろい。でもブランドとしてインスタグラムは意識していないし、あくまでパーソナルなツールに留めたい。僕はSNSでよく見るモノを買いたいと思わない。皆が投稿するものより、投稿からは見えないものに興味がある。自分の目で新しいモノや風景を見ることを大切にしたいんだ。

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