ファッション

洋服の“移植手術”を50件 そごう・西武が新サービス

 そごう・西武は開業30周年を迎える大宮店などで10月16日、衣服をリペア(修理)することで再び命を吹き込む「セカンドライフファッション」というサービスの参加者募集を開始した。臓器移植を考える一つのきっかけにすべく、サービスを移植医療にたとえて展開する。

 サービスは、「セカンドライフトイズ 〜おもちゃの移植手術」を創設した鈴木瑛(あきら)と木田東吾クリエイティブ・ディレクターとともに企画・運営する。サービスは、破れやほつれなどで着られなくなったお気に入りの洋服を「レシピエント(臓器移植における臓器を受け取る側)」と設定するところからスタート。大切にしていたけれど着なくなった衣服を提供する「ドナー(臓器移植における臓器を提供する側)」の洋服と組み合わせる移植手術を施し、再び命を吹き込むというものだ。

 まずは16日から参加者を受け付け、31日以降、洋服の修理や寄贈依頼を開始する。サービスは無償で先着50着。特設サイトで30着、11月23日にそごう大宮店で開くイベントで20着の”移植手術”を受け付ける。レシピエントとドナーの洋服を大胆に組み合わせることで、世界に一点の洋服を生み出し、タグを専用のものに付け替える。10月31日にはそごう大宮店に衣服の寄贈を受け付けるボックスを設置する他、11月23日のイベント当日にはナース服姿のスタッフが店頭で修理や寄贈に関する相談を受け付ける。また、同日はキャンペーンに賛同するモデルKIKIが登壇し、ファッションをきっかけに臓器移植を考えるトークショーを開催する予定だ。

 今年は臓器移植法が施行されて20年という節目の年。現在日本には1万3000人を超える移植希望登録者がいるにもかかわらず、行われる移植出術は年間300強。登録者のわずか2%しか移植手術を受けることができないのが現状だ。日本の移植手術の数は、アメリカの1%にとどまっている。鈴木と木田クリエイティブ・ディレクターは、この現状を踏まえて昨年、おもちゃを修理して再び命を吹き込むサービスをスタート。アメリカの雑誌が選ぶ「世界の頭脳100」に選ばれるなどしている。

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