ファッション
特集 2027年春夏東京コレクション

「タオ」2027年春夏は“ありのまま” 細密な構築と軽やかさで描いたアイデンティティー

栗原たおデザイナーによる「タオ(TAO)」は10月22日、東京・南青山のコム デ ギャルソン社で2027年春夏コレクションを発表した。テーマは、「MY TRUE SELF - ありのまま」。コレクションノートには、「『タオ』の根底にあるピュアで自由な気持ちを、『タオ』らしい色である白やレース素材を使ったハンドワークで表現したコレクション」とあった。

その言葉の通り、ショーはホワイトトーンのルックで幕を開けた。ファーストルックは、繊細なレースや布のパーツを幾重にも重ねた白いテーラードジャケットに、同じくレースを配したブラトップを合わせた。ボトムスはリバーレースで仕立てたブルマ。ラペルを立てたジャケットの構築的なシルエットに、ふんだんに用いたレースが可憐さを添える。モデルの肌との鮮やかなコントラストも相まり、白で描かれる世界へと引き込まれていく。

「タオ」が描く白く、
軽やかな世界

その後もしばらくは、リバーレースをはじめとするさまざまなレースが主役だ。ジャケットやドレス、スカートなどに重ねながら、同じ白の中に異なる質感や表情を生み出す。中には、オリジナルで制作したハンカチを何枚もつなぎ合わせ、立体的に構築した服もある。栗原デザイナーは、「すごく細かく服を構築するという作り方をやりたいと思った」と話し、パターンも細かく細分化し、立体にすることを意識したという。こうした服作りについて、「自分のアイデンティティーというところでは、そこがしっくりくる」と明かした。

中盤には、立体的な植物刺しゅうを手掛けるアーティスト、森ひとみとの協業によるボタニカルモチーフが登場する。森の作品は植物の姿をさまざまな形で表現することで知られ、布地に平面的に施す刺しゅうや、花やつるが飛び出す立体的な刺しゅうなどが特徴だ。栗原デザイナーは森の作品に、自身の細かくていねいなモノづくりとの共通点を感じ、今回のコラボレーションを依頼した。森が手掛けた立体的な植物のパーツを帽子や付け襟、ベストなどに用いたほか、作品を撮影してグラフィック化し、プリントにも落とし込んだ。ラフィアをベースにした立体的な花や植物が体を覆うルックと、その姿を平面へと置き換えたプリントが並ぶ。

自分が作りたいものへの
素直な気持ち

「タオ」にとって、白は特別な色だ。「トリコ・コム デ ギャルソン(TRICOT COMME DES GARCONS)」から自身の名を冠した「タオ」へと改名した2022年春夏シーズンも、「白の世界」から新たなスタートを切った。当時、栗原デザイナーは「白のいろんな表現で、自分らしさを表現したかった」と話している。

>「トリコ・コム デ ギャルソン」から「タオ」に改名 栗原たお、純白のスタート

今回の白について、栗原デザイナーは「『タオ』らしい、アイコニックというか、『タオ』の白という意味。さまざまな白の表現をやってみたかった」と話す。同じ白でも、透けるレース、マットな生地、立体的な装飾など、異なるテクスチャーを重ねることで、その表情を変えていった。今季は、そうした細かな作り込みと同時に「軽さ」も意識。肌を大胆にのぞかせたり、短い丈を取り入れたりしたスタイリングについて、「気持ちの軽やかさという意味で、肌を見せるような着方もいいなと思った」と説明する。

“ありのまま”というテーマも、自身をあらためて見つめ直した結果というより、今の栗原デザイナーが感じているものを、そのまま服にしたものだ。「常にコレクションを作る時は、自分の今感じているもの、今心にずっとくるものを集中して作ろうとしている。今回は本当に、今の自分をありのまま作りましたというコレクション。やりたいことを突き詰めてやらなきゃとは、いつも思っている。でも今回は特に、もっと深く、もう一回やりたいという気持ちが湧き上がった。本当に周りを気にしないで、ピュアに作ろうという気持ちがすごく強かった」。

白、レース、細かく服を構築するハンドワーク。それらは以前から栗原デザイナーの中にあるものだ。しかし今季は、自分が今作りたいものへもう一度深く潜っていった。その先に現れたのが、“ありのまま”の「タオ」だった。

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