
日常に根差した提案が増える中、コレクションをより魅力的にするのは、デザイナーたちがそこに込めたエモーションやメッセージだ。その表現方法は、「感情をまとうような装い」を打ち出した「セリーヌ(CELINE)」に代表される無造作で気ままなスタイリングから、豊かな色彩や質感、アートからヒントを得たモチーフ、職人技を生かしたクラフトまで。特に厳しく不安定な時代だからこそ、“ジョイ(喜び)”やポジティブな思いを表現しようとする姿勢が目立った。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月19日号からの抜粋です)
「ロエベ(LOEWE)」
DESIGNER/ジャック・マッコロー(Jack McCollough)&ラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)
高度な技巧と日常で着る楽しさの融合
デビューから1年。2人が築きつつあるスペインのビーチを想起させる楽観的なムードや色彩、慣れ親しんできたアメリカンスポーツウエアの要素、実験的で遊び心あるクラフトへのアプローチを生かしつつ、今季は“着用すること”に目を向けた。重ねたレザーを薄くすいて描くストライプやキャビアビーズの全面刺しゅうなど職人技を駆使したアイテムがある一方、そこに合わせたのは前後反転したポロシャツやロゴ刺しゅう入りのニット、シルクのカーゴパンツといったひねりを効かせたリアルなワードローブ。エネルギッシュなショーを通して、高度な技巧と日常で着る楽しさの融合を見せた。
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