ファッション

MANKEYが“BMW iX1”をキャンバスに描いた創作論 「地球は究極の素材」

「ビー・エム・ダブリュー(BMW)」は、コンパクトSAV(Sports Activity Vehicle)“BMW iX1”をベースにしたラッピングカーを公開した。デザインを手掛けたのは、「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®、以下ベイプ)」のグラフィックデザイナーとしても知られるMANKEY(マンキー)だ。同車は7月8日まで、東京・麻布台ヒルズのブランドストア「FREUDE by BMW」で展示される。本作は、かつて「BMW」を所有していたMANKEYが、“歓び”をテーマに、地球や紙幣など身近なモチーフとBMW車の内部構造を組み合わせて制作した。MANKEYに、創作の源泉から「BMW」との接点、そしてストリートカルチャーとの関係性までを聞いた。

クルマはこれまでにない大きなキャンバス

——“BMW iX1”のラッピングカーの制作依頼を受けた時、率直にどう感じましたか?

MANKEY:これまで車業界と仕事をする機会はほとんどなかったので、新しい挑戦として面白そうだなと思いました。普段はアパレルなど、平面的なものにデザインすることが多いのですが、今回はクルマという立体物です。グラフィックをどこに配置するのか、どう見せるのかという考え方も変わってくるので、その部分は新鮮でした。

——完成した車両を見た感想は?

MANKEY:やっぱりモノが大きいので、完成した実物を見ると達成感がありますね。想像していたものが原寸で現れるので、やった甲斐があるというか。自分としてもワクワクしました。

——今回のグラフィックには地球や紙幣など、印象的なモチーフが登場します。

MANKEY:僕の作品は、基本的に身の回りにあるものが題材になっています。最近は特に“地球”をテーマとして考えることが多いですね。いろいろなものをデフォルメしてアイコン化しているのですが、自分の中では地球が一番究極の素材だと思っています。誰もが関わっている存在ですし、一番大きな存在でもある。そういうものをキャラクター化することに面白さを感じています。今回のラッピングでは、自分が大切にしている“歓び”を感じる要素を詰め込みました。さらに、BMW車の内部構造もモチーフとして取り入れています。自分らしいグラフィックとクルマそのものの構造を組み合わせることで、いろいろな要素が凝縮された作品になったと思います。

——紙幣のモチーフにも、同じような視点があるんでしょうか?

MANKEY:そうですね。お金そのものはただの紙でもあります。でも、それを見た瞬間に誰もが何かしらの感覚を持つじゃないですか。子どもから大人まで知らない人はいないし、それぞれに引っかかるものがある。そういう意味で、お金もずっと自分のテーマの一つです。生活の中で誰もが関わる存在ですし、ありそうなのに、意外とグラフィックとしてそのまま扱われることは少ない。だからこそ面白いと思っています。

——今回の作品は、「ベイプ」でのデザインワークとも違う印象を受けます。

MANKEY:全然違いますね。「ベイプ」の場合はシーズンごとのテーマがあって、それに合わせてデザインしていく作業になります。今回は「BMW」からも特に細かなオーダーはなく、「自由にやってください」という形でした。だからかなり自分のパーソナルな部分が出ています。グラフィックデザイナーとして考えると、クライアントがいて方向性がある方が進めやすい面もあります。でもアーティストとして考えると、自由に任せてもらえるのはやっぱり楽しいですね。

「BMW」との個人的な接点

——BMWにはもともとどんな印象を持っていましたか?

MANKEY:実は以前、“BMW X5”に乗っていたことがあるんです。運転しやすいし、乗り心地も良かった。最近はクルマを運転する機会が減っていますが、最後に所有していたのが“X5”だったので、BMWブランドには特別な親しみがあります。だから今回お話をいただいたときは、純粋にうれしかったですね。

——もともとSUVがお好きなんですか?

MANKEY:そうですね。セダンよりもSUVの方が好きでした。視界が高くて見渡しやすいですし、乗り心地も違う。その感覚が好きだったんです。

——今回のラッピングカーからは、どこかストリート的な感覚も感じました。

MANKEY:昔、グラフィティ的なことを少しやっていたことがあるんです。グラフィティって、自分の名前やスタイルをどう広げていくかという活動でもあると思うんです。知らない人に自分の存在を知ってもらうという意味では、ステッカーも近い感覚がありますね。貼ることで残るし、「自分はここにいた」という痕跡にもなる。そういう感覚は今の作品にも少しつながっていると思います。

——ラグジュアリーな「BMW」とストリートカルチャーが繋がることについてはどう感じていますか?

MANKEY:うれしいですね。しかも今回はオフィシャルな形で実現できたので、それは特別なことだと思っています。

——もし再び「BMW」をラッピングできるとしたら、どんな車種を選びたいですか?

MANKEY:車種というより、大きいクルマがいいですね(笑)。大きければ大きいほど描ける面積も増えますし、完成した時の迫力も違う。アパレルは人の体のサイズに収まりますが、クルマはもっと大きなキャンバスになれると思うんです。だからどうせやるなら、もっと大きなキャンバスで挑戦してみたいです。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

色で着崩すクラシック 2026-27年秋冬ウィメンズリアルトレンド特集【WWDBEAUTY付録:2026年上半期ベストコスメ発表】

「WWDJAPAN」6月22日発売号は、「リアルトレンド」ウィメンズ編です。国内アパレルやセレクト各社の2026-27年秋冬の打ち出しを一挙に紹介。シーズンのトレンド傾向から「今っぽい」をかなえるスタイリング術までを読み解きます。今季のキーワードは、「クラシック」と「エレガンス」。多くのブランドが、端正なジャケットを主役にしたトラッドスタイルをベースに、独自の解釈を加えた提案に挑戦しています。また…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。