ファッション

GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEが個展「オートフィクション」を「CON_」で開催

ギャラリー「CON_」は、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックス☆ギロチンディ)の個展「オートフィクション」を7月31日から8月30日まで開催する。

GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEは、「都市と青年」を題材に、漫画や映画などのサブカルチャーの影響を受けたコンセプチュアルで物語的な表現を展開してきた。2021年より、現代美術の展覧会とライブパフォーマンスを融合させた全7章・7年間の長編プロジェクト「獸」を主宰し、黒い獸へと変じる青年の物語を、毎年一度、展覧会という形式で発表し続けている。

本展は、これまで有機的に広がってきた「獸」を一度結晶化し、作品として提示する試みで、タコ山、ススキ、絵画、彫刻、映像、ドローイング——それぞれ異なる角度から切り取られた断片が重なり合うことで、「獸」という輪郭が少しずつ立ち上がる。現実をもとにフィクションを織り交ぜながら物語を立ち上げる本展は、「獸」の記録であると同時に、私たちの人生を神話として保存しようとする試みでもある。

ステートメント / Statement 

"祈りは言葉でできている。言葉というものは全てをつくる。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。過去に起こり、全て終わったことについて、僕達が祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。
人はいろいろな理由で物語を書く。いろいろなことがあって、いろいろなことを祈る。そして時に小説という形で祈る。この祈りこそが奇跡を起こし、過去について希望を煌めかせる。ひょっとしたら、その願いを実現させることだってできる。物語や小説の中でなら。

好き好き大好き超愛してる。 - 舞城王太郎
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私は2020年に「獸」を構想した。東京のある青年が黒い獣になる物語である。

あらゆる出来事が凄まじい速度で流れ去っていく時代に、一つの軸を持ち、同じことを長い時間考え続けることには意味があるのではないかと考えた。

私は幼少期から記憶を辿り、一つひとつの風景や出来事に杭を打つように作品や展示を制作してきた。なぜこんなことを続けているのかと考えると、その理由の一つは、物事がすぐに消費されていく流れへの抵抗にある。感動的な瞬間も、残酷な事件も、災害も、人の死でさえも、やがて話題から消えていく。その流れに対して、少しでも立ち止まる時間をつくりたいと思っている。

子供の頃に見た風景や、毎日のように遊んだ公園を思い出すことがある。しかし、そうした場所は少しずつ姿を変えていく。空き地には住宅が建ち、実家があった場所は駐車場になり、団地やタコ山公園も今年から建て替えが始まる。風景が変わるたびに、記憶を支えていた杭が抜かれていくような感覚がある。

だからといって風景そのものを保存したいわけではない。流れていく時間や忘れられていく出来事にもう一度重みを与え、現実の中に位置づけ直すために作品をつくっている。

本展は、これまで有機的に広がってきた「獸」を一度結晶化し、作品として提示する試みである。タコ山、ススキ、絵画、彫刻、映像、ドローイング。それぞれは異なる角度から切り取られた断片であり、それらが重なり合うことで、「獸」という輪郭が少しずつ立ち上がる。

誰かが見た風景や経験した出来事、積み重ねてきた時間は、その人にしか持ち得ない唯一のものである。宮崎駿は「大切なものは半径3m以内にある」と語っていたというが、「獸」は、その半径3mを内包する半径30mの範囲にいる私と、私の周りの友人や家族だけでなく、彼らを取り巻く風景や環境、それぞれが生きてきた時間や経験をもとにしている。

現実をもとにフィクションを織り交ぜながら物語を立ち上げることで、私たちは過去をより感覚に近い美しさで保存し、現実には叶わなかった願いに別のかたちを与えることができる。

それは単なる記録ではなく、私たちの人生を神話として保存しようとする試みである。

この展示は「獸」の記録であると同時に、私たちの神話の断片である。

GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE

GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE
プロフィール

1999年、東京都生まれ。多摩美術大学絵画学科日本画専攻卒業。東京を拠点に活動している。「都市と青年」を主題に、90年代の青年漫画やデスゲーム系の映画・ドラマなど、サブカルチャーの影響下で物語性を伴うコンセプチュアルな制作を行う。多摩川沿いの団地や公園で育った原風景と、高校期以降に通った町田・新宿の高層ビル群——そのコントラストを起点に、単管パイプ、UVプリント、樹脂、毛といった即物的な素材を平面表現の系譜と衝突させ、事故や災害のような偶然性の力によって凝縮された「まざりもの」としてのイメージを生成する。変わりゆく都市の空気感を、漫画の長期連載のようにリアルタイムで記録し続けている。21年から、現代美術の展覧会とライブパフォーマンスを融合させた長編プロジェクト「獸」を主宰。黒い獸へと変じる主人公の物語を、全7章・年に一度の展覧会形式で発表する。物語は、獸が狩人に狙撃されるシーンから始まる。それは、いまの東京に個人の手で神話を立ち上げようとする試みでもある。変わること、見逃すこと、飽きること——それらを引き受けながら、その瞬間の熱狂を描き続けている。

展覧会情報

◾️「AUTOFICTION(オートフィクション)」
アーティスト:GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE
会期:2026年7月31日〜8月30日
会場:CON_
住所:東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 まるかビル 4F
時間 :(木〜日)14:00〜19:00
休廊:月〜水、祝休
https://www.contokyo.com/
Graphic Design: Heijiro Yagi
Photography: Shota Tsukiyama

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