
明治大学デザイン研究部(DE.KE.NN、以下デケン)は、12月6日にファッションショー「めぐる」をPLAT SHIBUYA で開催します。同部は1953年に建築学生によって設立された、明治大学公認で唯一のファッションサークルです。ファッションだけでなく、建築、絵、音楽、映像、写真など、部員の興味に応じてさまざまな媒体を通じ、「デザインすること、表現すること」を大切にしています。ファッションショーを通じて、衣装制作、モデル、演出、インスタレーションなど多様な表現活動を行っています。
DE.KE.NN 2025 ファッションショー「めぐる」について、「デケン」について多くの方に知っていただきたいという思いで、今回執筆いたします。
リメイクを通じて「めぐる」古着の生命
ファッションショーのコンセプトについて

私たち「デケン」は古着のリメイクを中心に衣装の製作を行っています。協賛企業から古着を譲っていただく機会があったことや、リメイクという形態は、裁縫や衣装製作をしたことがない部員にもデザイナーに挑戦しやすい背景によります。タイトル「めぐる」には「未完成の完成系」そして「生と死」というコンセプトが結合して誕生しました。そしてこれらには、社会に向けたメッセージや私たち自身、そしてファッションショーの物語性が含まれています。
社会的側面として上記の通り、リメイクによる衣装製作を従来行っています。昨年12月、一部の部員が「パタゴニア(PATAGONIA)」のクローズドイベントに参加し学んだ経験から、服の大量生産や廃棄の現状を身近に感じていました。生産されて既に完成された服が、捨てられたり使われなくなったりし、再び服として蘇らせることで新たな価値を創出し、衣服が「めぐる」循環を見出しました。
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衣服が「めぐる」循環は、私たち自身と重なるように思います。現代は、過程よりも完璧な結果が重視される傾向があると感じているからです。発展途上な学生である私たちだからこそ、完成形を追い求めながらも、その過程そのものが芸術であり自己表現であることを示したい。未完成ながらも、日々を積み重ねて先が見えない完成へと、螺旋のように「めぐる」自分たちと重ねています。
また、これらの「めぐる」は生き物の一生と同じことだと思います。人は生まれて、成長し、生活をし、そして亡くなる。命が終わっても、記憶や記録が紡がれ新たな命へと連鎖していきます。人生が一度きりであるように、ファッションショーという表現方法は一回限りのもので再現性がありません。ショーが終わっても私たちの思いや誠意を込めて作ったショーが心に届くことで、新たな循環が生まれ「めぐる」と思います。
ファッションショーを通じて、古着が役目を終え、新たな命が吹き込まれるように、壊れたり終わったりする先までデザインする責任と、芸術の新たな可能性を提示することで、ショー全体を流動的な生命体と捉え、その統一感とメッセージを届けます。

■DE.KE.NN 2025 Fashion show「めぐる」

日程:12月6日(土)
時間:第一幕 開場13:30/開演14:00、第二幕 開場15:30/開演16:00
会場:PLAT SHIBUYA
住所:東京都渋谷区神宮前6-27-8 エムズ原宿B1階
入場料:無料
予約※完全予約制:https://forms.gle/FwGSEm5xyYTPy69i8
※当日はルックブックを配布予定
明治大学デザイン研究部(DE.KE.NN)公式Instagram:https://www.instagram.com/meiji_dekenn?igsh=eDl0b2FwYXpzMXZy&utm_source=qr