ファッション

TOKYO BASE、若年層向け業態「コンズ」のウィメンズ店舗を初出店 ユニセックス戦略を再検証

セレクトショップ「ステュディオス(STUDIOUS)」などを運営するTOKYO BASEは、若年層向け業態「コンズ(CONZ)」のウィメンズ単独店舗を、東京・原宿の「ステュディオス」本店の向かいに8月22日にオープンした。3フロアで構成し、売り場面積は延べ132平方メートル。9月6日には、渋谷パルコ4階にもウィメンズ•メンズの複合店を出店する計画だ。

「コンズ」は、20代半ばをターゲットに2024年9月に始動。ブランド名には、「今、混、魂」の3つの意味を込め、カジュアルストリートを軸としたミックススタイルの提案を強みとする。これまで原宿の1号店をはじめ、新宿ルミネエスト、大阪・南堀江、中国・上海に出店し、メンズを基軸としたユニセックスを打ち出してきた。ウィメンズをあらためて切り出す理由について、事業責任者の熊沢俊哉CONZディレクターは、「ブランド始動から1年弱が経ち、女性のお客さまの来店も多かった一方で、サイズの問題や女性が求めるデザイン性など、ユニセックスでは拾いきれない女性特有のニーズが見えていた」という。既存の店舗では、従来4割程度だったユニセックスブランドの比率を2割程度に縮小し、よりメンズ色を強めていくという。

一方の「コンズ」ウィメンズでは、カジュアルストリートのテイストは共通させつつも、コンパクトなトップスや肌見せアイテムを取り入れた、より若年女性に響くスタイリング提案を強化する。ウィメンズ業態をディレクションする鈴木詩穂バイヤーは、「女性は直感的に可愛いと思ったものを手に取る傾向がある。バイイングは、ひと目で惹きつけられるデザインかどうかを大切にした。ビッグネームのブランドが少ないからこそ、レイヤードの妙で魅せていきたい」と話す。

ラインアップは、「コトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)」「アンスクリア(INSCRIRE)」「カルネボレンテ(CARNE BOLLENTE)」「ジェーン スミス(JANE SMITH)」「コウガ(KOWGA)」など、約20ブランド。価格帯は、トップスが2万〜7万円、ボトムスが2万〜5万円程度。

中でも力を入れたのは、ボトムスのバリエーションだという。仕入れアイテムに加え、「ターク(TAAKK)」に別注したデニム生地を使用したオリジナルパターンのカーブジーンズ(5万3800円)や、「シングス ザット マター(THINGS THAT MATTER)」のシアー素材にデニム柄を転写プリントしたパンツの色別注などで厚みを持たせた。「存在感のあるボトムスは、グラフィックTシャツなどと相性がいい」と考え、編集者の佐藤俊がクリエティブディレクターを務める「ルーズジョインツ(loosejoints)」のTシャツや、日本のオタク文化をテーマに据える「フードマート(HOOD MART)」の古着Tシャツなどもそろえた。

商品構成の1割程度を占めるオリジナル商品にも磨きをかける。「コトハヨコザワ」の横澤琴葉と、「シングス ザット マター」武笠綾子が外部デザイナーとして加わり、「いわゆる“セレオリ”の域を超えた、デザイナーズブランドと並ぶ商品を仕掛けていきたい」と熊沢ディレクター。メンズのオリジナル商品も同様の戦略で、「ネヴァーフォーゲット(NVRFGT)」の山田拓治と、「ジェンイェ(JIAN YE)」のスゲノ コウスケデザイナーがデザインを担う。「メンズでは、オリジナルのカーブジーンズがヒットしたことがブランドの認知拡大につながった。ウィメンズでも、オリジナルからヒット商品を出せるかどうかがカギになる」と話す。

TOKYO BASEのポートフォリオにおいて、「コンズ」は20代若年層をターゲットとした唯一のカジュアル業態であり、同社の新規顧客にリーチするミッションを担う。熊沢ディレクターは、「層はニッチかもしれないが、数より深さを大事にファンを広げていきたい」と話した。

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