「ステュディオス(STUDIOUS)」などを運営するTOKYO BASEは6月21日、「ザ トウキョウ(THE TOKYO)」の6店舗目となる新店を東京・銀座に開業した。谷正人最高経営責任者(CEO)は同業態にとって、「ターニングポイントになる」と意気込み、年間売り上げ10億円を目指すと語った。
「ザ トウキョウ」は2019年にスタートしたセレクト業態で、基幹事業の「ステュディオス」よりも年齢層の高い好感度層をターゲットに据える。25年1月期の業態別売上高は、前期比26.4%増の13億円と好調だ。
銀座店は18年に閉店した老舗キャバレー、「銀座 白いばら」の跡地に立地する。ウィメンズフロアの地上1階とメンズフロアの2階で構成し、売り場面積は約330平方メートル。店内中央には、「ザ トウキョウ」各店舗で共通している接客用のラウンジを設置。天井には、縄のれんで装飾したシャンデリアを吊るした。
谷CEOは、「原宿がアジアに向けた発信源であり、感度は高いがマス層には届きにくい。一方、銀座は欧米を含めた幅広い層への認知度を高められる、世界に向けた発信拠点になるはずだ」と話す。言語に堪能なスタッフを配置し、インバウンド比率は8割を見込む。
インバウンドの間では、日本のデニム製品の反応が良いことから、2階は同店ならではの施策として、岡山の「モモタロウジーンズ(MOMOTARO JEANS)」や「フルカウント(FULLCOUNT)」「ニュー・マニュアル(NEW MANUAL)」など、日本のデニムブランドを集積したデニムコーナーを設けた。「日本にいると今さらと思うかもしれないが、海外のお客さまには日本のデニムへの関心が高い。お土産感覚で購入する方もいるようだ」と谷CEO。
同社は新規事業の開発も背景に、国内外で出店を加速している。今年3月には韓国・ソウルに「ステュディオス」1号店をオープンしたほか、6月には中国・上海に「ステュディオス」と2024年に始動した新業態「コンズ(CONZ)」の初の海外店をオープン。「ザ トウキョウ」業態では、今年名古屋と横浜への出店を控える。9月には、リニューアルしたオリジナル業態「シティートウキョウ(CITY TOKYO)」の路面店を青山に出店するなど、路面店出店を強化していく方針だ。
同社の25年1月期の売上高は、前期比1.1%増の202億円と過去最高を更新。営業利益が同67.1%増の14億7000万円、純利益が同131.6%増の7億7000万円だった。