
東京・原宿にあるギャラリーコモン(Gallery COMMON)が9月7日まで、イチ・タシロ(Ichi Tashiro)とミン・ラン・トラン(Minh Lan Tran)、ローズ・サレーヌ(Rose Salane)によるグループ展「Fault Lines(断層線)」を開催中だ。タシロがアーティスト兼キュレーターとして初めて企画したという。
タイトルの「Fault Lines」は、地質学上の断層線とともに、文化や技術、感情に潜む“見えない境界”を示唆する。3人のアーティストは「層」「亀裂」「開口部」を手がかりに、表層の奥に眠る記憶や歴史を掘り起こし、新たな視点を提示する。
作品一覧
タシロは、実験的な素材や重層化、加算と減算を組み合わせた技法で、彫刻やスカルプティングを融合させたコラージュ作品が特徴だ。焼成や彫り込みなどの変容的なプロセスを通じ、破壊的な行為を癒しや浄化の表現へと転換している。
香港出身でパリを拠点に活動するトランは、絵画や書、パフォーマンスを用いながら文化や記憶に向き合う。本展では日本滞在中に採取した印刷物や布地、顔料、インク、木材などの素材を使い、環境や歴史、身体性をテーマにしたミクストメディア作品(2種類以上の異なる素材や技法を組み合わせた作品)を発表する。
サレーヌは、個人や団体が所有していた品々を収集した「ダイナミック・セット」をもとに、価値や記憶を可視化するインスタレーションを制作。今回は、日本の文化的・経済的背景とテクノロジーや感情との関係を探る新作を展示する。
◼️グループ展「Fault Lines」
会期:9月7日まで
休館日:月・火曜日
会場:ギャラリーコモン
住所:東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F