ファッション

【パリ速報】「サカイ」、既成概念にはとらわれないモノづくり

 「クラシックをブランドらしく再解釈する」がコンセプトの「サカイ」は今シーズン、ストライプとグレンチェック(千鳥格子)、そして花柄という3つのモチーフにフォーカスした。まずストライプは、ジャケットはもちろん、超巨大なモッズコートなどのカジュアルなアイテムにも転用。ブランドが愛用するグログランのリボンでストライプを描いたカーディガンは、後ろ身頃はニットだけで作るストライプに切り返している。

 

 また千鳥格子は、紙のように薄いナイロンの上にインクジェットでプリント。ふっくらしたシルエットのブルゾンや裾にリブをあしらったジョギングパンツなど、スポーティなアイテムに仕上げた。しかし、ジップアップのナイロンブルゾンには、リブの下からジャケットの裾をチラリと覗かせるトロンプルイユ(だまし絵)を加え、それ一着でレイヤードスタイルが完成するようにしただけでなく、フォーマルとカジュアルの世界を自由に行き来する。

 

 そして花柄は、カーキなどのカラーパレットでまとめられ、迷彩のようなイメージに。となると今度は、カジュアルよりむしろ、ジャケットとショートパンツのセットアップやドレスパンツなど、フォーマルな雰囲気の強いアイテムを彩る手段として用いられていく。「サカイ」の中ではド定番と言えるボーダー柄のカーディガンも、ボーダーは胸回りにだけ残しつつ、可憐な花が咲き乱れた。

 

 いずれの柄も、最も一般的なアイテムにのせられるだけでなく、普通なら違和感を覚えるようなアイテムにさえのせられる。しかし、それをいとも簡単に、既成概念を打破しようという力強い反逆精神というよりはむしろ、そんな既成概念にはハナっからとらわれていないようなフラットなスタンスでモノづくりをしつつ、随所でニットやグログランのリボンを用い、「サカイ」らしさを感じさせるのがこのブランドの強みだ。

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