「プラダ(PRADA)」は15日まで、大阪の「うめきた公園」で「プラダ モード」を開催している。2023年の東京に続いて、建築家の妹島和世とコラボレーション。妹島のライフワークとも言える「犬島プロジェクト」の紹介も含め、現代文化と建築が交差するイベントを開催している。
「プラダ モード」は7日、さまざまなアクティビティで幕を開けた。安藤忠雄は、「まちは人がつくる」と題した講演会を開催。安藤は、生まれ育った大阪についてもユーモアたっぷりに語りながら、自身が取り組んできた国内外の建築・都市開発プロジェクトと、そこに込めた思いを紹介した。また、建築家の劉家琨と西沢立衛は、「成都の街、東京の街」をテーマに対談。規模も文化背景も異なる中国の成都と日本の東京における、それぞれの都市設計へのアプローチなどについて議論した。
プログラムは、屋外での映画上映会のほか、音楽パフォーマンス、「プラダ」の生地を用いたつまみ細工のワークショップなど盛りだくさん。初日は数千人が集い、ゲスト同士のコミュニケーションを通してもファッションや建築など、さまざまなカルチャーが交差した。
プロジェクトをキュレーションした妹島は、瀬戸内海に浮かぶ犬島に新設した「犬島ライフギャラリー」の恒久的パビリオンを発表。「プラダ」が島に寄贈したパビリオンは、妹島が17年間かけて犬島で続けてきた再生プロジェクトの集大成のひとつ。妹島は、かつては採石場と銅の精錬で栄えて20世紀初頭には5000人もの住民がいたものの、産業の衰退とともに現在は人口40人足らず、住人の平均年齢は70歳オーバーという島全体の再構築に取り組んでいる。古民家の改修やギャラリースペースの建設など、島の再生を段階的に進めてきた。
「プラダ モード」は、アートや音楽、食、エンターテイメントを横断。今年にかけて、マイアミ、香港、ロンドン、パリ、上海、モスクワ、ロサンゼルス、ドバイ、東京、ソウル、アブダビなど世界各地で開催されている。