ファッション

「バーバリー」のダニエル・リー、2月24日のファッションショーがラストに?

「バーバリー」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるダニエル・リー PHOTO:FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

2月24日(現地時間)にロンドンで発表する2025-26年秋冬コレクションを最後に、「バーバリー(BURBERRY)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるダニエル・リー(Daniel Lee)がブランドを離れるのでは?というウワサが広がっている。業界筋は、ダニエルはすでに退社の準備を進めており、早ければ8月にも「バーバリー」を去るのでは?という。デザインチームも次の仕事探しを始めているとの話まで浮上。「バーバリー」はウワサに対して、コメントを発表していない。

ダニエル退任というウワサは、彼を起用したジョナサン・エイクロイド(Jonathan Akeroyd)前最高経営責任者が退任し、後任にジョシュア・シュルマンCEOが就いた昨夏以降、渦巻いている。エイクロイド前CEOは、ダニエルが生み出した“ザ・カセット”に代表される「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」でのバッグ&シューズでの成功を、ウエアの構成比率が高い「バーバリー」にも応用しようと試みたが、今のところ大きな成果は出ていない。

新CEOは、「過去数年は
不満が残る結果を残している」

対して後任のシュルマンCEOは、「バーバリー」はファッションショーを開くようなブランドではないと捉え、トレンチコートやスカーフなどに注力することでの再起を試みており、デザイン性の高いクリエイションが得意なダニエルとの方向性の違いを指摘する声が上がっていた。シュルマンCEOは昨年11月、過去数年の「バーバリー」に対して「コアビジネスから逸脱し、不満が残る結果を残している」と指摘。「モダンになりすぎたのではないか?(ダニエルが主導する)新しいスタイルコードは、顧客とは不釣り合いだ。近年のコレクションはニッチな美学に基づいた季節性の高い商材が多く、我々のコアだった普遍性が曖昧模糊になっている」と続けた。

さらに「コーチ(COACH)」や「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」での経験が豊かなシュルマンCEOは、現在トレンチコートは40万円前後という価格帯についても言及し、「価格、特にレザーグッズ(ダニエルが生み出したバッグは、30万〜50万円程度)は、我々のコアなバッグビジネスから乖離している。『バーバリー』は、少数の富裕層に傾倒しすぎた」とも分析。同社の直近の上半期決算によると、売上高が22%減少し、赤字を計上した。回復への道のりは、始まったばかりだ。

ダニエルはシュルマンCEOに対して、「アメリカンブランドでの経験が長い人物ならではのオプティミズム(楽観主義)には刺激を受けている」と話していたが、彼もまた昨今のデザイナー交代劇に巻き込まれる可能性が高いようだ。

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