ビューティ

「エラケイ」の美人調香師ソニア・コンスタンが目指す魂の浄化 香りを通してスピリチュアルな体験を

PROFILE: ソニア・コンスタン/「エラケイ」創業者

ソニア・コンスタン/「エラケイ」創業者
PROFILE: フランス・パリ生まれ。1999年イシプカ香水専門学校で学び、2001〜4年、ジボダン香水スクールに在籍。ベルサイユ大学で演劇コースを学ぶ。ジボダンでマスターパフューマーとして活躍。17年から現職 PHOTO :TSUKASA NAKAGAWA

フランス発フレグランス「エラケイ(ELLA K)」の新作“オーキッドK”が8月21日、登場する。同ブランドは、香料企業ジボダンのマスターパフューマーで200以上のフレグランスの調香を手がけた調香師ソニア・コンスタンが2017年にスタート。彼女が旅した世界中の場所を表現したフレグランスを提案している。ブランド名は、スイス人の女性冒険家のエラ・マイヤールと祖父の苗字を組み合わせたもの。新作“オーキッド K”はイタリア・コモ湖のブルー、そして光と影が織りなす風景を香りで表現した。コモの庭に咲くブラックバニラオーキッドなどの花々や古い教会から漂うお香の香りを陰影のコントラストで描いている。新作発表のために来日したコンスタン。仏女性誌「マダム フィガロ(MADAME FIGARO)」の女性調香師トップ5に選ばれた彼女に、ライフスタイルや仕事と母親業の両立、人生におけるモットーなどについてきた。

香りを通して伝える人生の経験、そして魂の浄化

WWD:どのような子ども時代を過ごしたか?

ソニア・コンスタン「エラケイ」創業者(以下、コンスタン):引っ込み思案で社交的ではなかった。好きだったことは、クラシックバレエやダンス、ピアノ。ものを作ることに興味があり、常に何か作りたいと思っていた。

WWD:調香師になっていなかったら、何になっていたか?

コンスタン:魂を救うような仕事。占星術をはじめ、スピリチュアルなことや哲学が好きだから、世界から発信されるいろいろなメッセージを理解して人々の魂を救うような仕事がしたいと思っている。人には魂があり、人生には苦難がある。その苦難の中で、必然的な出会いや経験を通して魂が浄化されることが大切だと考える。調香師として、香りを通して、人生における学びや経験を伝えたいと思う。例えば、“カメリアK”のテーマは狂おしい愛を表現しているけど、“ムスクK”は真っ白で無垢な状態を表している。新作の“オーキッドK”は同じ愛でも、光と影のある愛の表現。今までの人生で得てきたことの表現であると同時に、未来を多くの人と香りを通して共有したいという思いもある。

WWD:自分のシグニチャーの香りは?

コンスタン:“カメリアK”を着けることが多く、自分の一部のような香り。

ライフスタイルはスポーツや食事を重視

WWD:自身のファッションスタイルは?

コンスタン:決まったスタイルはない。ある日はロックンロール、ある日は違う装いというように色々なファッションのスタイルがある。ただ、下品にはならないようにしている。

WWD:ビューティルーティンは?

コンスタン:以前はよく来日していたから、資生堂の「クレ・ド・ポー(CLE D E PEAU)」を使っていたけど、コロナになって来日できなくなって勧められた「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」のプラチナムラインを使っている。スキンケアには気を使っていて、年に数回サロンで、肌の再生を助けるマイクロニードルやピーリングを受ける。メイクは、ファンデーションは使わない。目を重点的にして、リップはナチュラルに仕上げる。

WWD:ライフスタイルにおけるこだわりは?

コンスタン:スポーツと食事。忙しくてあまり時間が取れないので、ジムで効率よく短時間で筋肉トレーニングやヨガをしたり、ジョギングしたりする。食事は、野菜や果物をたくさん食べるようにしている。寿司やお刺身など生物も好き。フライドポテトなどの揚げ物は食べない。

WWD:好きな週末やバカンスの過ごし方は?旅がテーマのフレグランスを手がけているが、世界中で好きな場所は?

コンスタン:旅行中に香水を作るし、読書をしたり、写真を撮ったりして過ごす。好きな作家は、ユダヤ人作家のアルベール・コーエン(Albert Cohen)。世界中で最も印象的だと思ったのはインドだ。インドに行くと、必然的に自分に変化が訪れる。ラジャスタンのプシカという小さな村に巡礼に行き、自分の魂が生まれ変わる場所だと感じた。それを香水で表現したのが“プシカの手紙”。

人生のモットーは物事の良い面を見ること

WWD:女性、母親として大切にしていることは?

コンスタン:「エラケイ」の経営者としての仕事、ジボダンの社員としての仕事があり、2人息子がいるから、仕事と子育ての両立は本当に大変。息子2人は17歳と14歳で、思春期の真っ只中。だから、彼らとは、打ち明け話をするなど、できるだけコミュニケーションを取ることが大切。なかなか自由になる時間がないけど、できるだけ自分の大切な友達や親しい人と過ごしたいと思っている。

WWD:人生おけるモットーは?

コンスタン:何が起こっても、どのような状況でも、物事の良い面を見ること。コップに半分しか水がないと思うか。まだ、半分水があると思うかの違い。

WWD:新たにチャレンジしたいことは?

コンスタン:興味のある占星術やスピリチュアルな世界を勉強したい。

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