百貨店の3月の売上高は、スプリングコートやジャケットなど衣料品の不振が響き、軒並み前年実績を下回った。三越伊勢丹は前年同月比96.9%、高島屋は同99.0%、そごう・西武は同94.3%、大丸松坂屋百貨店は心斎橋店の建て替えも影響して同92.8%、阪急阪神百貨店だけは当月改装したうめだ本店がけん引して同101.6%だった。
引き続き中間層が衣料品の出費を抑制していることに加え、3月後半の気温低下が春物の立ち上がりに打撃を与えた。伊勢丹新宿店ではこの時期の稼ぎ頭である婦人服のスプリングコートが前年の8掛けで終わった。また、長く好調が続いてきた宝飾品、時計、美術、呉服などの高額品に関しても前年実績を下回る店舗が相次いでいる。「年始からの株安によって富裕層のお客さまは保有資産が目減りしてしまったため、購買意欲が低下している」(そごう・西武)。「特選はインバウンドの増加で実績を上回ったが、国内の富裕層のお客さまが支える宝飾品は下回った。株安などの影響はすぐにではなく、2カ月後くらいに表れる。年明け以降の株安がじわじわ響いてきた」(高島屋)。