ファッション

【スナップ】ほとばしるロンドン・バイブス 「ラバーボーイ」10周年のショーは期待通りのパンクコーデが集う

チャールズ ジェフリー ラバーボーイ(CHARLES JEFFREY LOVERBOY)」は、「ロンドン・ファッション・ウイーク(LONDON FASHION WEEK以下、LFW)」の公式スケジュールで2025年春夏コレクションを現地時間6月7日に発表した。ブランド設立10周年を記念した今回のアニバーサリーコレクションには、過去に制作したキーピースを集結させ、ブランド特有のキッチュでプレイフルな世界観を通してメンズウエアを再考し、クィアのコミュニティーを讃えた。

会場は同ブランドが設立時からアトリエを構えるサマセット・ハウス(Somerset House)で、ランウエイにも登場したシグネチャーピースをまとった来場者によって色彩豊かに彩られた。軍服と水兵のユニホームや、古典的なスーツを解体・再構築したセットアップ、動物を模ったビーニーなどを、自由に大胆に着こなすロンドンらしいエネルギーに満ちた装いが印象的だった。一般席も同ブランドのウエアをまとったゲストで埋め尽くされ、クィアのコミュニティーをはじめとしたローカルから高く支持されていることを証明した。

フィナーレでは、モデルとして登場したアメリカ人歌手ベス・ディットー(Beth Ditto)がランウエイでパティ・スミス(Patti Smith)の“グロリア(Gloria)”を披露し、モデルたちがスキップしながら登場する祝福ムードで閉幕した。フロントローに座っていたイギリス人歌手FKAツイッグス(FKA Twigs)とイギリス人俳優ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)を筆頭に、ゲストはスタンディグオベーションでブランドの10周年を祝った。同会場では、10周年を記念した展覧会“The Lore of Loverboy”が2024年9月1日まで開催される。

「ラバーボーイ」と同じく、LFWも今年で40周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。6月はフィジカルとデジタル合わせて40のイベントを3日間にわたって行った。ただ、コロナ禍以降メンズ・ファッション・ウイーク期間に開かれるLFWは国外からの業界関係者の来場が激減し、世界に向けたファッション・ウイークからローカル向けのカルチャーイベントに変化している。イギリスの若手の育成と文化振興へとつながることを期待したい。

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