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花王が通期業績予想を下方修正 構造改革費用を計上

花王の2023年1〜6月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比0.6%増の7385億円、営業利益が同51.7%減の259億円、純利益が同57.3%減の166億円だった。原材料価格の高止まりは戦略的値上げで吸収したものの、ベビー用紙おむつの中国自工場生産の終了に伴う費用や化粧品事業でブランドポートフォリオの入れ替えなど構造改革費用86億円を計上した影響で大幅な減益となった。

化粧品事業は、売上高が同0.2%減(実質1.6%減)の1158億円、営業損益は25億円の赤字(前年同期は22億円の黒字)だった。日本では外出増加の影響でメイクアップが好調に動き、中でも「カネボウ(KANEBO)」「ケイト(KATE)」などのグローバル戦略ブランドG11が同2ケタ伸長と好調を維持した。中国では「フリープラス(FREEPLUS)」「キュレル(CUREL)」で挽回をはかったものの、売り上げは前年同期を下回った。

へルス&ビューティケア事業(スキンケア、ヘアケア・パーソナルヘルス製品を展開)は、売上高が同6.8%増(実質3.1%増)の1888億円、営業利益は同12%減の160億円だった。日本では「ビオレUV(BIORE UV)」のミストタイプ日焼け止めなどのシーズン品や「ビオレ(BIORE)」のメイク落とし“ザ クレンズ オイルメイク落とし”がけん引し、売り上げは前年同期を上回った。米州では、昨年発生した物流混乱の反動で伸長した。ヘアケアの売り上げは、ほぼ前年同期並み。日本では厳しい競争環境の中、「エッセンシャル(ESSENTIAL)」の“バリア”シリーズが順調に推移した。

8月以降、化粧品事業のブランド再編や商品統廃合の加速、人財育成や評価報酬制度の改革、最適な原価設計など構造改革を実施する。23年12月期の連結業績予想はこれら構造改革の実施に伴い、約600億円の費用を計上する見通しで、利益面を下方修正する。修正後は営業利益が600億円(修正前は1200億円)、経常利益が610億円(同1210億円)、純利益が410億円(同880億円)と引き下げ、売上高のみ年初計画通りで1兆5800億円を見込む。

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