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「フジロック’23」で観るべき12のアーティスト

日本が世界に誇る音楽フェスの代名詞「フジロックフェスティバル’23(FUJI ROCK FESTIVAL ’23)」が7月28〜30日の期間で開催されます。山間部の1.96平方kmという広大な敷地を舞台に、200組を超えるアーティストが全11ステージでパフォーマンスを繰り広げることもあり、現地に到着してからタイムテーブルと睨めっこしているようでは狼狽しかねません。そこで、時間の有効活用と未知のアーティストとの出会いを兼ねて、独断と偏見による“観るべきアーティスト”を各日4組ずつご紹介いたします。それぞれ「スポティファイ(Spotify)」と「アップル ミュージック(Apple Music)」へのリンクと共に、おすすめのMVやライブ映像を1つ添えておきますので、道中の新幹線や車中でお楽しみいただければ幸いです。

ー 1日目 ー
STUTS
16:10~17:10@WHITE STAGE

先月、ヒップホップのトラックメイカー&MPCプレイヤーとして史上初めて日本武道館でのライブを成功させたSTUTSくん。同公演を観て、もう彼なしで日本のヒップホップ・シーンは語れない領域にまで達していると肌で感じました。MPCプレイヤーとしてのソロパフォーマンスはもちろん、どんなゲストたちが駆けつけてライブを彩ってくれるのか。そして、いつもライブでは白Tなので、「フジロック」でも白Tを期待しています。

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YVES TUMOR
16:00~17:00@RED MARQUEE

2015年に自主制作盤「When I Fails You」でデビューしてからしばらくは、エクスペリメンタルな音楽家として活動していたものの、作品を発表するごとにロックへと少しずつ舵を切り、今では次世代のロックスターへと変貌を遂げたイヴ・トゥモア(Yves Tumor)。3月にリリースした5thアルバム「Praise a Lord Who Chews but Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)」では変化が顕著に感じられ、キャリアで最も完成度が高いと絶賛されているので、騙されたと思って一度再生ボタンをタップしてみてください。

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Vegyn
24:00~25:00@RED MARQUEE(PLANET GROOVE)

フランク・オーシャン(Frank Ocean)の名盤「Blonde」に作曲やアレンジとして参加したことをはじめ、トラヴィス・スコット(Travis Scott)やアミーネ(Amine)、カリ・ウチス(Kali Uchis)らメジャーアーティストのヒット作品に携わっている、サウスロンドン出身のプロデューサーでDJのジョー・ソーナルリー(Joe Thornalley)。そんな彼のソロプロジェクト、ヴィーガン(Vegyn)は、何度か来日公演を行なっているのですが、なんと「フジロック」で初のライブセットを披露予定とのこと。これから聴き始めるという方は、19年発表のミックステープ「Text While Driving If You Want to Meet God!」は71曲を、22年発表のミックステープ「Don’t Follow Me Because I’m Lost Too!」は75曲を収録しているので、ぱっと見は躊躇してしまうかもしれませんが、案外すんなり聴き終えられます。

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Daniel Caesar
19:00~20:10@GREEN STAGE

無類の音楽好きであるバラク・オバマ(Barack Obama)元大統領がベタ惚れするなど、良質なR&Bアーティストを多数輩出するカナダにおいて頭ひとつ飛び抜けた存在のダニエル・シーザー(Daniel Caesar)。19年の2ndアルバム「Case Study 01」以降、パンデミックの影響もあり目立ったソロ活動がなかったのですが、4月に約4年ぶりとなる3rdアルバム「Never Enough」をリリースしており、今回の「フジロック」出演は最高のタイミングでしょう。丹精込めて製造される高い品質から長持ちする日本製デニムと、手の届かない女性への恋心を重ねた人気曲「Japanese Denim」を、「フジロック’19」に引き続き今回もパフォーマンスしてくれることを願います。また、彼名義ではないですが、同郷のジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)との「Peaches」もサマーアンセムになっているだけに聴きたいところ。

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ー 2日目 ー
Chilli Beans.
11:00~11:50@WHITE STAGE

結成は19年、1stEPは21年、1stアルバムは22年という凄まじいスピードで、約1万5000人を収容するホワイトステージへの出演を決めた日本の3ピースバンドChilli Beans.(チリビーンズ)。3人全員が作詞・作曲できるそうで、聴きなじみやすいリリックとメロディから初見でも必ず楽しめるはず。正直な話、YouTubeのライブ映像だけで直接お目にかかったことはないのですが、パフォーマンス力が圧巻とのことで、お三方のファッション含めて楽しみです。

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d4vd
14:00~15:00@RED MARQUEE

ここ数年、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やリル・ナズ・X(リル・ナズ・X)、ニュージーンズ(NewJeans)よろしく、10代のアーティストが当然のようにチャートインする時代になってきましたが、デイヴィッド(d4vd)もそんな若き才能の1人。現在18歳の彼は、もともとプロゲーマー志望としてYouTubeへ動画を投稿していたところ、著作権を侵害しないよう自ら制作していた楽曲がYouTubeとTikTok経由で広まり、その才能が世間に発見された異色の経歴の持ち主。「スポティファイ」だけで6億8000万回以上も再生されている人気曲「Romantic Homicide」のMVは、漫画「東京喰種トーキョーグール」の世界観を表現していたりと、日本好きを公言する彼の初来日公演を見届けないわけにはいきません。

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LOUIS COLE
22:00~23:30@WHITE STAGE

「WWDJAPAN」2020年5月11日号で表紙を飾ったこともあるベーシストでシンガーソングライターのサンダーキャット(Thundercat)が、「I Love Louis Cole」という楽曲まで制作してしまうほどの才能の持ち主が、ルイス・コール(Louis Cole)です。ジャズのバックグラウンドを持つ技巧派ドラマーでありながら、ファルセット・ヴォイスを武器としたシンガーソングライターやプロデューサーとしても活躍する異能中の異能。「F it up」のライブセッション映像は、最初から最後まで全力でふざけていながら、随所で高度なスキルが暴力的に披露されているので必見です。

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ROMY
25:30~27:00@RED MARQUEE(TRIBAL CIRCUS)

ザ・エックス・エックス(The xx)という2010年代のUKロックシーンを代表するバンドでボーカル&ギターを務めるだけでなく、最近はソロとしての活動を本格化させているロミー(ROMY)。彼女の最近の活動などについては、下記のインタビューを一読していただければと思います。先日、日本人として初めてフライング・ロータス(Flying Lotus)が主宰する音楽レーベル「ブレインフィーダー(Brainfeeder)」と契約した長谷川白紙さんからはじまり、いまロンドンで最もホットな女性プロデューサーのティーシャ(TSHA)、ROMY、そしてNariaki ObukuroとMelodies InternationalのスペシャルタッグによるDJセットの4連続は、垂涎ものです。

詳しくはこちら▼
1stソロアルバムのリリースを控えるザ・エックス・エックスのロミー 「安心領域を抜け出すような感覚」

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ー 3日目 ー
100 gecs
16:10~17:10@WHITE STAGE

“ハイパーポップの寵児”とも称される、ディラン・ブレイディ(Dylan Brady)とローラ・レス(Laura Les)によるワンハンドレッド・ゲックス(100 gecs)。7月中旬、SNSにて「心身的な疲労が限界に達した」と10月のヨーロッパツアーのキャンセルをアナウンスしていましたが、なんとか初来日公演を行なってくれるようです。ワンハンドレッド・ゲックスの名前を本稿で初めて見にしたという方は、とりあえずこのボイラー・ルーム(BOILER ROOM)でのヴァン・ヘイレン(Van Halen)の「Eruption」からスタートするDJセットを見てください。それだけで魅力が伝わるはずです。ちなみに、39:50からプレイされる「スーパーマリオワールド」のリミックスは、コンポーザーやデザイナーとして活動するpiccolo(ピッコロ)さんが「昔、別名義でふざけて作った曲」とのこと。

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FKJ
20:10~21:10@RED MARQUEE

プロデューサーかつ天才マルチ奏者のヴィンセント・フェントン(Vincent Fenton)のソロプロジェクトFKJは、意外にも今回が「フジロック」デビュー。FKJとは、フランス人の母親を意味する“French”、父親の故郷ニュージーランドの名産キウイフルーツを意味する“Kiwi”、血を意味する“Juice”をつなぎ合わせた“French Kiwi Juice”の略語で、“フランスとニュージーランドの血がミックスされた人物”を意味しているそう。エレクトロニックやヒップホップ、R&B、ファンク、レゲエ、エレクトロニックなど、多種多様なジャンルを巧みにミックスしたメロウなサウンドは、夜の苗場にぴったりなはず。2019年にライブストリーミング・メディア「セルクル(Cercle)」が公開した、南米ボリビアのウユニ塩湖を舞台としたパフォーマンス映像は必見です。余談にはなりますが、坂本龍一さんの死去が発表された当日に行われたスウェーデンのストックホルム公演では、ピアノのみを使用した「Merry Christmas Mr. Lawrence」で締め括ったとのこと。

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ASGEIR
21:00~22:30@FIELD OF HEAVEN

個人的にアイスランド出身のアーティストといえば、ビョーク(Bjork)やシガー・ロス(Sigur Ros)、オーラヴル・アルナルズ(Olafur Arnalds)らと共にパッと思い付くのが、アウスゲイル(ASGEIR)です。代表曲「King And Cross」をはじめとするアコースティックとエレクトロニックを融合させた美麗なサウンドは、夜間のフィールド・オブ・ヘブンとの相性抜群でしょう。問題は、レッドマーキーでFKJを最後まで観てしまうと、アウスゲイルのパフォーマンスには100%間に合わないということ。レッドマーキーからフィールド・オブ・ヘブンまでは、混雑していない明るい時間帯でも30分以上はかかるので、FKJとアウスゲイルの両獲りを目論んでいた方はご注意ください。

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YUNG BAE
25:00~26:15@RED MARQUEE(SUNDAY SESSION)

「翌日は月曜日だし、早めに帰るか」などと考えている方は、ヤング・ベー(Yung Bae)を観なかったことを向こう数年は後悔するかもしれません。シティ・ポップやファンクの派生ジャンルにあたるフューチャー・ファンクおよびヴェイパー・ウェイヴの先駆者で、日本のアニメ楽曲や1980年代のシティ・ポップを大胆にサンプリングした楽曲を多数抱えており、「Japanese Disco Edits」といったシリーズまで展開しています。深夜のレッドマーキーことサンデー・セッションがディスコ化すること間違いなしなので、今のうちに有給申請をしておきましょう。

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