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アダストリア福田会長「アパレル市場は売上高7掛けが当たり前に」

 アダストリアの2021年2月期連結業績は、売上高が前期比17.3%減の1838億円、営業利益が同94.0%減の7億6600万円、純損益が6億9300万円の赤字(前期は63億円の黒字)となった。2度の緊急事態宣言による自主休業や外出減が大きく響いたが、上期の営業赤字からは回復。「コロナ禍でわれわれは未来の世界を体験することになった。アパレルビジネスは今後6〜7年後には、人口減や高齢化によって、(従来に対し)売上高が7掛け(=70%)が常態という世界になる。そうなった時にどう生き残るかを考え、実践する1年だった」と福田三千男会長兼社長は振り返る。

 「これまではショッピングセンターの増加、そこへの出店によって業界の規模が拡大してきたが、そうしたあり方はもう限界にきている。サステナビリティの観点からも、過度に生産することはもう認められない。となると、これまでのような右肩上がりの成長はありえない」と福田会長は続ける。2010年に“チェンジ宣言”を発表し、商社頼りのモノ作りから企画・生産・販売を垂直統合したSPA体制を打ち出してから10年。「その10年間の成果として、バックオフィスのメンバーを含め、社員1人1人が何をすべきか考えて前向きに動けた」ことが、苦しい中で営業黒字を維持できた要因と語る。

 22年2月期の連結業績は、売上高が同19.1%増の2190億円、営業利益が同747.7%増の65億円、純損益が38億円の黒字の予想。

 22年2月期は、変化する世の中に対応していくための「投資の年」と位置付け、グループ連結で約130億円の投資を行う。具体的には、既存事業を盤石にし、利益を生み出すための店舗開発に64億円、システムに47億円、海外に9億円といった内訳。店舗開発では、豊富な雑貨の品ぞろえでコロナ禍でも比較的好調だった「ベイフロー(BAYFLOW)」「ラコレ(LAKORE)」の出店を強化すると共に、「ニコアンド(NIKO AND…)」「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」は店舗の大型化を図る。

 システム投資では、自社EC「ドットエスティ(.st)」のシステムのバージョンアップを進め、8月までに一部店舗でオムニチャネルサービスを開始する。また、オムニ推進の一環として、5月には新規事業として「ドットエスティストア」を2店出店。「ドットエスティ」内の売り上げランキングや、スタッフによる人気コーディネートなどを店頭にも反映する。アプリ上で来店予約を行えば、客のこれまでの購入履歴に応じた新商品の提案なども行う予定という。なお、21年2月期の国内EC売上高(自社EC以外も含む)は前期比23.4%増の538億円。「ドットエスティ」の会員数は前期比140万人増の約1170万人となった。

 海外事業では、コロナ禍からの回復が著しい中国で、上海に2店を出店する「ニコアンド」が好調。これを受けて、今春に海外事業本部を上海に設置、生産・物流・販売の現地機能を強化する。また、東南アジア市場開拓のために東南アジア準備室も設ける。

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