ファッション

米オフプライスストア「センチュリー21」が破綻 全13店を閉じる

 米オフプライスストアのセンチュリー21(CENTURY 21)は9月10日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をニューヨーク州の破産裁判所に申請した。同社はニューヨークを中心に13の店舗を運営しているが、全て閉店する。

 センチュリー21は、1961年にアル・ギンディ(Al Gindi)といとこのソニー・ギンディ(Sonny Gindi)がマンハッタンで創業。定価の40~65%オフで衣料品を販売するビジネスモデルを確立した。ほかのオフプライスストアよりもデザイナーズブランドを多く取り扱っていることから人気を博し、国外からの観光客も買い物に訪れた。オフプライスストアという業態自体は同社の創業以前からあるものだが、それを発展させたことによって同社はオフプライスストアのパイオニアと目されている。

 2011年に起きた同時多発テロ事件によって店が崩壊したが、地元を離れるつもりはないとして、再びマンハッタンに旗艦店をオープンした。13年には、旗艦店の売り場面積を2万平方メートルに拡大。ピーク時には全体で7億ドル(約742億円)ほどの売り上げがあり、その25%が旗艦店によるものだった。ECはあるものの、こうした実店舗に大きく依存したビジネスモデルであることから、新型コロナウイルスの影響で業績が急激に悪化した。生活維持に必要不可欠である“エッセンシャル”な業種ではないことも追い打ちをかけた。また同社によれば、事業中断の損害に対する保険金1億7500万ドル(約185億円)が支払われなかったことも、経営破綻の直接的な原因の一つだという。この未払いに関して、同社は複数の保険会社を相手に訴訟を起こしている。

 同社の共同最高経営責任者であるレイモンド・ギンディ(Raymond Gindi)は、「コロナ禍のような事態から事業を守るために多額の保険料を払っていたのに、保険会社は最も大事なときにわれわれに背を向けた。保険金が支払われていれば、この危機的な状況が収束するまで持ちこたえ、多くの雇用を守り、再び業績を回復できたと確信している」と語った。

 米国ではコロナ禍の影響でアパレルや小売店が相次いで倒産している。5月には百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン・マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)、百貨店のJ.C.ペニー(J.C.PENNY)、J.クルー グループ(J.CREW GROUP)が、7月には米ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)と、「アン テイラー(ANN TAYLOR)」や「レーン ブライアント(LANE BRYANT)」などを展開するアパレルチェーンのアセナ・リテール・グループ(ASCENA RETAIL GROUP)が破綻している。また8月には、老舗百貨店チェーンのロード&テイラー(LORD & TAYLOR)とその親会社である新興ファッションテック企業ル・トート(LE TOTE)や、紳士服チェーン「メンズ・ウエアハウス(MEN’S WEARHOUSE)」「ムアーズ(MOORES)」「ジョス・エー・バンク(JOS A. BANK)」などを展開するテイラード・ブランズ(TAILORED BRANDS)が経営破綻を発表した。

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