ファッション

セレブからデザイナーに確立 年商60億円規模にまで成長した「ザ ロウ」のサクセスストーリー

 2006年に「ザ ロウ(THE ROW)」を設立したメアリー=ケイトとアシュリー・オルセン姉妹(28)は今年、CFDAアワードでマーク・ジェイコブスやマイケル・コースを抑え、2度目のウィメンズウエア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。昨年はブランド初のショップをロサンゼルスにオープンし、来年にはニューヨーク出店を控える。テレビドラマの子役出身セレブとして、ブランドのローンチ以前から世界的な知名度があった2人だが、ファッション業界に進出するセレブが多い中、本格的なラグジュアリー・ブランドとしてビジネスを確立したセレブデザイナーは2人以外にいるだろうか。設立10周年を目前に、「ザ ロウ」が年商60億円規模のビジネスに育つまでの道のりを振り返った。

 テーラーの聖地として知られるロンドンのサヴィル・ローにちなんで2人が名付けた「ザ ロウ」のビジネスは、1枚のTシャツから始まった。“ラグジュアリーなベーシックアイテム”がもてはやされるようになる前、上質なベーシックウエアの必要性にいち早く目をつけ、“完璧な生地とフィット感の”と2人が表現するTシャツをデザインした。もともとはチャリティーの一環で、2人が個人的に着るために制作しただけだったという。「『自分たちが着たいから』という、そんな単純で純粋な気持ちからスタートしたプロジェクトだったけれど、一歩一歩進んでいくうちに気付いたらここまで来ていた。こんな本格的なビジネスになるなんて想像もしなかった。今思い返せば、自分たちの商品を見せるために頻繁に外に出たり、初対面の人たちに会ったり、なぜあそこまで積極的になれたのかも分からない」とアシュリーは話す。

「ザ ロウ」は現在、世界の37カ国の164店舗に並ぶ。業界筋予測では、ブランドの年間売り上げは5000万ドル(約61億5000万円)だ。昨年5月、「ザ ロウ」は初のショップをロサンゼルスのメルローズ・プレイスで披露した。2店目の旗艦店は来年、ニューヨークのアッパー・イースト・サイドにオープンする。約60人の従業員を抱え、デザインチームは2人を含め7人体制でコレクションを手掛けている。Tシャツから始まったブランドは今、ジャケットやレザーパンツなどのベーシックな品ぞろえで、クラシックやミニマルを土台にボヘミアンな要素を足した充実のコレクションに成長している。商品の大半はアメリカ国内で生産しており、アメリカ市場が売り上げのほとんどを占める。2011年にパリにオフイスを設け、ヨーロッパのビジネスもじっくり育てているところだそうだ。2人は今後、アクセサリーの強化を図るという。現在すでに人気が高いバッグラインに加えシューズを発表する計画を明かし、「シューズの方向性を定めるまでに3年間かかった」とメアリー=ケイト。

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