ファッション

「メゾン マルタン マルジェラ」2014年春夏パリ・オートクチュール 素材を探す。そこに時間をかける新時代のクチュール

 「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA)」のオートクチュールに相当するアーティザナルラインの2014年春夏コレクションは、ドレスに一つ一つビーズを縫い付けることに時間をかけるのではなく、世界に一つしか存在しない素材探しに時間を費やした。ただ、肝心の素材を手に入れた後は、本来の魅力を前面に押し出すべくシンプリシティに徹したクリエイション。この世に生まれた時代も場所も異なる生地を手に入れるため、デザインチームは世界を駆け回り、膨大な時間を費やしたという。丁寧なハンドワークではなく、素材ハントに時間をかけ、そこに価値を見出すという、新感覚のオートクチュールだ。

 手に入れた素材は、偉大なる建築家フランク・ロイド・ライトがアメリカ・シカゴで所有していたインテリア生地や、アールデコ時代のモチーフを刺繍した1920年代の中国製ファブリック、同時期に作られたドイツ・バウハウスのタペストリーなど、入手が極めて困難な一点モノ。だからこそ、それは長方形に切り出しTシャツの上にのせるだけだったり、コルセットに絡めドレープさせるだけだったり、極めてシンプルなテクニックでウエアに仕上げている。ブランドが発表している制作時間は、最長で100時間、最短だとわずか20数時間。これは他ブランドの1/10にも満たない数字だ。しかし、その前の生地探しに膨大な時間を費やし、時代の"痕跡"を語るドレスに仕上げている。「マルジェラ」らしいアプローチによる、新しいクチュールの幕開けだ。

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