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「シャネル」の新作香水“ココ マドモアゼル クラッシュ アプソリュ” オリヴィエ・ポルジュが語る“衝撃”と心を奪う魅力

シャネル(CHANEL)」は8月19日、新作フレグランス“ココ マドモアゼル クラッシュ アプソリュ”(50mL、2万1450円 / 100mL、3万360円)を発売する。2001年にシャネル3代目専属調香師のジャック・ポルジュ(Jacques Polge)が生み出した“ココ マドモアゼル”は、ブランドを代表するフレグランスの一つ。その後、“ココ マドモアゼル オードゥ トワレット”などのバリエーションが加わり、現専属調香師である4代目オリヴィエ・ポルジュ(Olivier Polge)が“同 パルファム アンタンス”や“同 ロー プリヴェ”を手掛けてきた。今回、その系譜に新たな香りが加わる。オリヴィエ氏に、新作の着想源や香りの特徴、そしてこのフレグランスが描く女性像について聞いた。

PROFILE: オリヴィエ・ポルジュ/シャネル専属調香師

オリヴィエ・ポルジュ/シャネル専属調香師
PROFILE: パリで美術史を学んだ後、シャネルの専属調香師だった父ジャック・ポルジュの影響もあり、南仏のフレグランス作りの聖地グラースで調香の基本を習得。ニューヨークのインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)在籍中にさまざまなブランドの香りを手掛け、注目される。2015年にシャネル4代目の専属調香師となり、“レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル”の新香調から既存ラインのバリエーションまで、20以上の作品を生み出している ©CHANEL

“ココ マドモアゼル”を進化させた、ミステリアスなインパクト

ーー新作の着想源は?

オリヴィエ・ポルジュ=シャネル専属調香師(以下、オリヴィエ):インスピレーションを外に求めるというより、まず「シャネル」のフレグランスの世界そのものから出発した。「シャネル」には数多くの香りが存在し、新たな香調が加わるたびに異なる側面が引き出される。今回“ココ マドモアゼル”をどう発展させるかを考えたとき、意識したのはインパクトだった。“ココ マドモアゼル”と同じ感情を表現しながら、よりミステリアスな側面を加えたいと思った。

ーー“クラッシュ”という名前には込めた思いは?

オリヴィエ:“クラッシュ”という言葉は、衝撃や力強さを連想させると同時に、一瞬で心を奪い去るような魅力も表現している。私が気に入っているのは、この香りが持つ二面性だ。従来のセンシュアリティだけではなく、驚きや好奇心を掻き立てるような魅力がある。

パチュリが導くフレッシュさと濃密さのコントラスト

ーー香りの特徴は?

オリヴィエ:この香りを表すなら、深みのあるセンシュアリティだろう。感情に語りかけるだけでなく、感覚そのものを満たすような豊かな魅力がある。トップではフルーティなノートが広がり、やがてウッディとアンバーが包み込むようなテクスチャーへと変化していく。肌にのせた瞬間から進化し、躍動し、息づくのだ。

ーー従来の“ココ マドモアゼル”との違いは?

オリヴィエ:より強く、かつフレッシュな香りだ。「シャネル」のフレグランスで欠かせないフレッシュさは、グレープフルーツとライチのアコードによるフルーティノートで表現した。一方、濃密さはパチュリを軸にしたアンバーウッディなラストノートで描いた。その存在感は、“シャネル N゜5”におけるフローラルノートの濃厚さにも通じるものがある。

ーー鍵となる原料は?

オリヴィエ:なんと言っても、パチュリだ。“ココ マドモアゼル”シリーズでも重要な役割を果たしている原料であり、今回も香りの中心を担っている。一般的にパチュリはほかの香調にも大きな影響を与える原料だが、「シャネル」では独自のサヴォアフェール(匠の技)によってその特性を高めている。再蒸留によって得られる分留成分が、異なるノート同士のコントラストを際立たせると同時に、調和ももたらしてくれる。使用しているのはインドネシア産のパチュリだが、重要なのは産地よりも熟成技術だ。

ーーフローラルノートについては?

オリヴィエ:ミドルノートにはジャスミンとローズを使用している。ジャスミンには、“ココ マドモアゼル”シリーズにも採用してきたジャスミン・グランディフローラムを選んだ。グラースで自社栽培している品種に比べ、香りが強くてみずみずしく、ややフルーティなニュアンスを持っている。ローズにはダマスクローズを採用した。どちらも主役というよりは、フルーティなトップノートとアンバーウッディなラストノートをつなぐ役割として、控えめに配合している。

ーー今回新たに挑戦したことは?

オリヴィエ:すぐに心をつかみ、かつ自由な印象を与えるトップノートと、センシュアルで包み込むようなラストノートのコントラストで遊びつつ、調和を取ることだ。

グレイシー・エイブラムスが体現する女性像

ーーこの香りが想起させる女性像とは?

オリヴィエ:フェミニンでありながら中性的でもある女性だ。やや曖昧なだけに抗い難い魅力の女性を、今回“ココ マドモアゼル”のミューズを務めることになったグレイシー・エイブラムス(Gracie Abrams)は見事に体現している。

ーーこの香りをまとう人に、どのような体験を届けたい?

オリヴィエ:“ココ マドモアゼル クラッシュ アプソリュ”は、大胆で確かな存在感を主張するフレグランスだ。人を喜ばせたり、誘惑したりするための香りではない。むしろ、まとう人自身の内面に深く語りかけるような、パーソナルな体験をもたらす。自由な精神と自発性を後押しし、自分らしく行動するためのパートナーのような存在になってほしいと思っている。周囲に合わせるのではなく、自分らしさの表現を重視して生み出した香りだ。

新ミューズ、グレイシー・エイブラムスとは

シンガーソングライターのグレイシー・エイブラムスは、19年にアメリカでデビューした。第66回グラミー賞では、最優秀新人賞にノミネートされた。第67回グラミー賞では最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス賞で2度目のノミネートを果たし、25年5月にはアメリカン ミュージック アワードの最優秀新人賞を受賞した。

エイブラムスは幼少期から楽曲制作に親しみ、8歳で最初の曲を書き上げた。20年夏にデビューEP「minor」をリリース。24年6月にリリースしたセカンドアルバム「The Secret of Us」は、イギリス、オーストラリア、オランダで初の1位を獲得した。全米アルバムチャートでも初登場2位を記録。ヘッドラインツアーを開催するとたびたびチケットが完売し、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)のツアーではオープニングやサポートアクトを務めるなど、注目を集めている。

25年、「シャネル」のアンバサダーに起用され、25年春夏プレコレクションのキャンペーンに登場。今年からファインジュエリーコレクション“ココ クラッシュ”、フレグランス“ココ マドモアゼル”のミューズも務めている。

TEXT:MINAKO NORIMATSU

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