ファッション

ASローマが「ディースクエアード」とパートナーシップ契約を締結 クラブの新CEOは「トッズ」の前CEO

イタリア・セリエAに所属する名門クラブのASローマはこのほど、「ディースクエアード(DSQUARED2)」との複数年にわたるパートナーシップ契約を締結した。同時に、トッズ(TOD’S)の前最高経営責任者(CEO)で、シャネル(CHANEL)の幹部も務めたジョン・ギャランティック(John Galantic)を新たなCEOに任命。ファッションとフットボールの結び付きが、ピッチから経営へと広がる潮流を示した。

“双子”で結ばれたASローマと「ディースクエアード」

ASローマは、2027年のクラブ創設100周年に向けてさまざまなプロジェクトを仕掛ける中、7年ぶりにUEFAチャンピオンズリーグの舞台にも復帰するなど祝賀ムードを迎えており、今回の「ディースクエアード」との協業が今シーズンを華やかに彩る。「ディースクエアード」は、公式ファッションパートナーとしてメンズ・ウィメンズのトップチームの選手に加え、監督やスタッフが着用するフォーマルウエアとカジュアルユニホームを独占的にデザイン。初のコラボコレクションは、今年の後半に公開される予定だ。

創業者のディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)は、共同声明で「私たちは、ファッションとはアイデンティティーと自信を表現するものだと常に考え、それはスポーツにおいても同等で重要な価値であると信じてきた。ASローマが持つ素晴らしい歴史と情熱を考えれば、今回のパートナーシップは極めて自然な流れと言えるだろう。私たちは双子の兄弟として父に育てられたこともあり、ローマという街、そして建国神話にまつわる双子の物語に深い親しみを感じている(注:ASローマのエンブレムには、古代ローマ建国神話の双子・ロムルスとレムスが描かれている)。双子の兄弟が育ての親から力と導きを得る姿は、私たちにとって特別な意味を持つものだ」とコメントした。

また、ASローマのマイケル・ガンドラー(Michael Gandler)最高事業責任者(CBO)は、「『ディースクエアード』は、クラブの掲げる“卓越性、スタイル、大胆さ”という中核的な価値観と共鳴している」と強調。続けて、「ファッションとフットボールは、どちらもアイデンティティーと情熱によって支えられた世界だ。この共通するエネルギーをピッチや公式行事、そして日常へと広げていく。選手やスタッフは、エレガンスと個性を兼ね備えたウエアを身にまとうことができ、それはASローマの精神を完璧に体現するものになるだろう」と説明する。

新CEOは生粋の“ロマニスタ”

ギャランティック新CEOの人事は、ファッション業界の人材がフットボールクラブ経営にも進出していることを印象付ける。彼は、ハーバード・ビジネス・スクールを修了後、イギリスの大手製薬企業スミスクライン ビーチャム(SMITHKLINE BEECHAM)とアメリカの消費財メーカー、プロクター アンド ギャンブル(THE PROCTER & GAMBLE Co.)で要職を歴任。その後、コティ ビューティー US(COTY BEAUTY US)の社長を経て、06年にシャネル(CHANEL)へ入社した。同社ではデジタル機能の強化や直営販売網の拡充を主導したほか、人種的正義を推進するプロジェクト「レイシャル ジャスティス ファンド(RACIAL JUSTICE FUND)」やソーラー発電設備設置業者サンラン(SUNRUN)などとの取り組みを通じて、サステナビリティと社会貢献活動の推進に尽力。また、アメリカにおけるシャネルの戦略および事業運営全般を統括し、卸売事業や路面店の運営も担当。百貨店や専門店向け卸売事業をコンセッションモデルへ移行する改革にも携わった。そして23年6月末には社長兼最高執行責任者を務めていたシャネルを離れ、24年9月にトッズ・グループの非上場化直後にCEOとして入社。在任中はブランドのショーやイベントなど表舞台に姿を見せる機会はほとんどなく、26年5月に退任した。

ASローマのオーナーで、アメリカの複合企業フリードキン グループ(THE FRIEDKIN GROUP)のダン・フリードキン(Dan Friedkin)会長兼CEOが率いるフリードキン家は、公開書簡の中でギャランティック新CEOについて「世界有数の企業を最高レベルで率いてきた人物」と高く評価。さらに、「ジョンはイタリアにルーツを持ち、生涯を通じたロマニスタ(注:ASローマのサポーターの愛称)でもある。彼はローマを愛し、この街やサポーター、そしてクラブがどのような存在であるかを深く理解し、次の100年へ導くのにふさわしい人物だと確信している」とも記されている。

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