
日本化粧品工業会(以下、粧工会)は30日、第4回定時総会を東京プリンスホテルで開催した。国内化粧品企業のトップら87人が出席し、2025年度の収支決算と26年度の事業計画・予算案について報告を受けた。
冒頭で、小林一俊会長(コーセーHD会長)は熊本地震の被災者へお見舞いの言葉を述べ、「粧工会は『ビジョン2030』の実現に向け、世界で存在感があり、消費者から信頼される化粧品産業を目指して事業を推進してきた」と振り返った。続けて、「国内外の競争は一段と激しくなっている。日本の化粧品産業にとって国際競争力の強化は待ったなしの課題だ」と強調した。
「高い技術力と丁寧なものづくりに加え、独特で繊細な美意識に裏打ちされた化粧品の魅力を世界へ発信していく必要がある」と述べた。また、イノベーションを支える規制環境の整備や海外展開への支援には、国との連携が不可欠との考えを示した。
さらに、政府の成長戦略である17の戦略分野のコンテンツ分野に「Jビューティ」が正式に盛り込まれたことに触れ、「化粧品産業が国家戦略の一端を担う産業として期待されている証しであり、その責任の重さに身が引き締まる思いだ」と語った。
これを踏まえ、粧工会としてもJビューティを日本文化への理解を世界に広げる機会と位置付け「世界から共感と信頼を得るソフトパワーの一つとして、日本の国力向上にも貢献していきたい」と述べ、会員各社に一層の協力を呼び掛けた。
厚労省、経産省、消費者庁が業界に期待
来賓の挨拶では、厚生労働省の佐藤大作大臣官房審議官が、化粧品の広告や効能に関する規制のあり方を検討していくと説明した。「規制の見直しは業界と丁寧に意見交換を重ねながら進めたい」と述べ、引き続き理解と協力を求めた。その上で、「日本の化粧品の品質と信頼というイメージを世界へ発信してほしい」と業界に期待を寄せ、化粧品の品質と安全性の確保に向けた施策にも引き続き取り組むとした。
続いて、経済産業省の正田聡商務・サービス政策統括調整官は、「骨太の方針2026」と成長戦略に「Jビューティ」が初めて位置付けられたことに触れ、「化粧品を含むJビューティ産業への期待の大きさを示すものだ」と述べた。また、化粧品産業競争力強化検討会の中間報告で、2033年までに化粧品の海外市場規模を2兆円へ引き上げる目標を掲げたことを紹介し、「官民一体となって日本ならではの魅力を世界へ発信し、ブランド価値の向上に取り組みたい」と展望を語った。
消費者庁の岡田博己表示対策課長は、化粧品業界が品質、安全性、有効性の確保や環境対応に取り組んでいることに敬意を示した上で、「消費者が安心して商品を選択するためには、安全性の確保を前提とした正確な情報提供と適正な広告表示が重要だ」と述べた。また、化粧品公正取引協議会による公正競争規約の運用が消費者の信頼確保につながっていると評価。消費者庁としてもインターネット広告の監視や実態調査などを進めていると説明し、「業界と行政が緊密に連携し、それぞれの立場から適正な表示の確保に取り組んでいきたい」と呼び掛けた。
日本化粧品工業会とは?

日本化粧品工業会は、1959(昭和34)年7月24日に設立された「日本化粧品工業連合会」を前身とする業界団体。東京、中部、西日本の3地域工業会で構成されていたが、2023年4月1日に地域3団体の傘下会員が直接参画する新たな統一団体として改組した。
市場やライフスタイルの変化を踏まえながら、日本の化粧品産業の国際競争力と製品の品質・信頼性の向上を図るほか、海外の化粧品工業会との交流や海外規制への対応、地球環境・サステナビリティーに関する課題解決への貢献を目的としている。
会長はコーセーの小林一俊会長。副会長は資生堂の藤原憲太郎社長CEO、花王の長谷部佳宏社長、カネボウ化粧品の内山智子社長、ポーラ・オルビスホールディングスの横手喜一社長らが務める。参加企業数は1402社(7月30日時点)。