
1990年代を思わせるバイカーショーツやレギンスが、2026-27年秋冬のトレンドアイテムとして再浮上しています。一方、すっかり定着したレイヤードにも新たな変化が。シャツやニットトップスに袖を通さず、肩や腰に巻くスタイリングです。今回は、バイカーショーツ&レギンスの復活と、“服を巻く”スタイリングトレンドをリポートします。
新顔「バイカーショーツ」はボリュームバランスが決め手
この秋、トレンドアイテムになりそうなのが自転車競技用の短丈パンツをルーツに持つ「バイカーショーツ」です。ユナイテッドアローズの展示会でもデザインバリエーション豊富に提案されていました。
一見、難易度が高そうなアイテムですが「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」プレスの平井美帆さん(写真・右)とプレスの冨山愛子さん(左)がお手本となるスタイリングを披露してくれました。
平井さんはオーバーサイズのジャケットで合わせ、ニットを肩巻き。足元にはポインテッドトゥのフラットシューズを迎えて、スポーティーなバイカーショーツを上品に着こなします。一方、冨山さんはニットジャケットを羽織り、ロングブーツで足元にボリュームを持たせています。二人のように上半身や足元にボリュームを持たせることで、大人もバイカーショーツを取り入れやすくなりそうです。
レギンス復活 スカート重ねで上品に
1990年代に流行したレギンスもリバイバルの気配です。1枚で着るのには少しためらうアイテムですが、スカートとのレイヤードならぐっと出番を増やせます。膝丈スカートとの組み合わせなら、脚のラインにメリハリが生まれ、エレガントな印象に。
「スタニングルアー(STUNNING LURE)」プレスの咸有美さんは、トレンカの上からロング丈のラップスカートを重ねました。スポーティーな印象の強いレッグウエアも、このような着こなしなら、上品に取り入れやすくなりますね。
“服巻き”は機能性とおしゃれを両立
レイヤードの新潮流として目についたのが、シャツやニットなどを肩や腰に巻く“服巻き”です。一昔前までは腰巻きは少し古くさいイメージで見られがちでしたが、90年代リバイバルの追い風もあってか、新たな表情をまとって復活。チェスターコートのような品格のあるアイテムとのスタイリングに混ぜることで、カジュアル見えを避けるのが2026年流のグッドバランスな腰巻きです。
手持ちの服ですぐに取り入れられる気軽さも魅力です。同系色や同素材を重ねればコーディネートになじみやすく、あえて異なる色や柄を選べば、着こなしのアクセントにもなります。
マフラーやストールよりもボリュームのある服を巻くことで、肩や腰に大胆な膨らみが生まれるのもポイント。単調になりがちな秋冬のシルエットにメリハリをつける、新たなレイヤード術として注目です。
「RHC ロンハーマン(RHC RON HERMAN)」は、ピンクのシャツを腰に巻いたスタイリングを提案。別のルックではチェック柄のシャツを腰巻き。どちらも程よい“ずれ感”が装いを弾ませています。
腰巻きの新パターンは、真ん中ではなく、左右に少し位置をずらして巻くアレンジです。アシンメトリーに見せると、気取らないエフォートレス感が備わります。斜めに傾けて巻けば、落ち感も出ます。
「23区」は腰巻きのバリエーションをさまざまなアイテムで提案しました。手持ちワードローブの自在な組み合わせに役立ちそう。ニットを腰に巻けば、腰回りに立体感が生まれ、シャツをコートの上から腰巻きすれば、抜け感がアップ。大判ストールはスカートのようにまとい、タイツの上からのスカーフ重ねはミニスカートのよう。腰巻きの可能性を印象づけていました。
腰巻き・首巻きで差し色を楽しむ
「カオス(CHAOS)」は、色違いのニット2枚を首から肩にかけて巻き、色のコントラストを引き立てる遊び心のあるスタイリングです。
「マルティニーク(MARTINIQUE)」は、トレンドカラーの赤を差しました。バイヤーの水口千恵さんは、赤ニットを腰巻きと肩巻きの両方でアレンジ。カウガールとプレッピーをミックスしたようなスタイリングに、赤ニットが鮮やかなアクセントを添えています。今年らしい巻き方の好例といえそうです。
シャツを巻いて“柄on柄” スカーフはベルト使い
巻くアイテムのバリエーションも広がっています。ネックゾーンが定位置だったスカーフも腰巻きにシフトする動きが広がってきました。さらに、カーディガンのボタンを一番上だけ留めて、さらに横へずらすという着方は、ニットウエアを巻くよう感覚で、手持ちアイテムから別の顔を引き出せそうです。
「マディソンブルー(MADISONBLUE)」では、さまざまな“巻き”のアレンジが見られました。チェック柄のコートには、異なる色・柄のシャツを重ね巻き。ネルシャツの柔らかな風合いが、端正なコートスタイルに抜け感を添えています。
スカーフをベルト代わりに巻いたルックでは、きちんと結ばず、端を遊ばせています。バンダナを首に巻き、その上からパールネックレスを重ねたアレンジは、カジュアルと上品さのコントラストが新鮮です。従来の巻き物アイテムも、使い方次第で新たな表情が引き出せます。
シャツを腰に巻くだけでは、動くうちにずれ落ちてしまうことも。そんなときは、巻いた上からベルトで固定するのも一案です。「シップス(SHIPS)」は膝丈パンツのウエストに、ストライプ柄のシャツを巻きその上からベルトで固定。シャツの裾や袖がボトムスに重なり、腰周りに自然なボリュームが生まれるのもポイントです。
バイカーショーツやレギンスといった懐かしいアイテムの復活に、手持ちの服を肩や腰に巻く新鮮なレイヤード。2026-27年秋冬は、アイテムそのものだけでなく、「どう着るか」にも変化が表れています。いつもの服も、丈のバランスや重ね方、巻き方を変えるだけでぐっと今季らしい表情に。まだ暑さが尾を引くうちから試せるのも秋の入口から人気が出そうな理由です。