「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」は現地時間9月9日、ニューヨークで2027年春夏コレクションを発表した。アメリカントラディショナルの屋台骨である「ネイビー」と「花柄」の多面的な表現により、単なる端正さ、行儀のよさにとどまらないロマンスを探求した。
創業者ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は今季について「ロマンスを自由な発想で再解釈し、新たなエレガンスを表現した。創意工夫や独創性、個性を称える装いを通して、独自のスタイルを創り出す自由と楽しさを届けたかった」と語る。そして「これまでのシックなイメージを覆す」(コレクションリリースより)とまで言い切る。
ネイビーはまず、“紳士”の正装で
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
序盤、ネイビーはまず最もクラシックな形で現れた。ダブルブレストのスーツに白シャツ、ネイビーのタイと白いチーフ、足元には黒の内羽根オックスフォード。ピンストライプのウエストコートには懐中時計のチェーンが揺れ、襟元にはブルーのタイが結ばれている。モデルが女性であることを除けば、紳士の正装そのものだ。
厳格さをほどく、青の変奏
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
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「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
だが、その厳格さは青の変奏によってほどけていく。無骨なユーティリティジャケットにはスプレーで青のむらを吹き付け、着古したような陰影をまとわせた。深いVネックのホルターガウンでは、プリーツを刻んだシフォンが胸元の濃紺から裾の淡い空色へ溶け出す。染め分けたジャカードシャツは一着の中で青の濃淡を滲ませ、片肩に掛けたフェザーボアの艶が、色褪せたダメージデニムとコントラストをなす。終盤には、アクアからティールへ移ろうクラッシュラメのガウンが、まるで夜の海のようにきらめいた。アメリカントラディショナルの基調色であるネイビーを主軸に据えながら、巧みな色調の変化により、禁欲的な硬さは感じさせない。
花を織り、編み、染め、刺し、描く
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
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「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
青と並ぶもう一人の主役が花柄だ。こちらは柄そのものよりも、技法で見せる。コルセット型のトップは花々を織り出した白のジャカードをあしらい、ボーンを露出させている。ブルーのギピュールレースは花を立体的に編み上げ、ワインレッドのブロケードは織り柄の上にスプレーペイントを重ねた。ティールのベルベットローブには金糸の刺しゅうが走り、合わせたジーンズにはジェッソ(地塗り材)で金色の花を直に描いている。首元を飾るはずのシルクスカーフは腰に巻いてベルト代わりに。布を重ねて咲かせた大ぶりのフラワーブローチが、セージグリーンやゴールドへ色を変えながら胸元を照らす。織り、編み、染め、刺し、描くーー。細部に目を凝らすほど、気の遠くなるような手仕事の賜物であることが伝わってくる。
時代を経た深みは、手仕事の堆積
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
「ラルフ ローレン」2027年春夏コレクション
その手仕事の堆積が、時代を経たような深みと陰影を生んでいる。シルクのラメやベルベットには、手描きとバーンアウト(オパール加工)で色に濃淡をつけ、褪せた風合いを出す。刺しゅう糸さえ、わざわざジェッソで染めてから針を通す。ボリュームのあるスカートのシワは、スプレー加工とタンブラー洗いで刻んだものだ。シルクブロケードに重ねて吹き付けたペイントは、ブランドの言葉を借りれば「印象派の絵画のような神秘性」を湛えている。服に年月を宿らせるために、職人は時間を惜しまない。
自ら作った様式を超えていく
アメリカントラディショナルという様式の成り立ちは、「ラルフ ローレン」を抜きにしては語れない。その生みの親が86歳を迎えてなお、その根幹であるネイビーと花柄の懐を広げ、ブランドらしいエレガンスに新たなロマンスを宿した。伝統的なブランドほど、完成されたコードを書き換えることは難しい。だが、今回の50体のルックが証明したのは、ラルフ本人が今なお情熱を持ち続け、自らが作り出した様式美を更新し続けているということだろう。