
ベルリン・ファッション・ウイーク(BFW)は、ドイツファッション協会(FCG)が2023年から取り組む若手デザイナーの支援と個性あふれる新たな才能が輝く舞台の確立に向けた改革が徐々に実を結び、拡大・成熟している。7月2〜5日に開催された27年春夏は、公式スケジュールに45ブランドのショーとプレゼンテーション、15の卒業ショー、パーティーやパネルトーク、パフォーマンスなど60近くのサイドイベントをラインアップ。期間中にFCGが手掛ける合同ショールームもより本格化し、BFWはコレクションを披露するだけの場ではなく、ビジネスを見据えたコミュニケーションが生まれるプラットフォームへと発展しつつある。また、今季からコペンハーゲン・ファッション・ウイークが策定したサステナビリティ要件も正式導入。公式参加には、最低基準を満たすことが必須になった。さらに注目度の高まりから参加するブランドもバイヤーやメディアも年々国際化し、それはローカルのデザイナーたちに良い刺激を与えるとともに彼らの成長を促している。ここでは、3つのトピックから今シーズンを振り返る。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月24日号からの抜粋です)
TOPICS 1
今シーズンのベスト5
現在のBFWには、シーズンごとに成長を見せる若手と安定したクリエイションの中堅や国外勢がそろう。独創性と実力を兼ね備えたブランドが増え、毎日朝から晩までほぼ1時間ごとにショーが開催される。その中から今季のベスト5をピックアップ。
「マーケ(MARKE)」
設立5年目の「マーケ」は、ここ数シーズンで丁寧な仕立てと詩的な世界観を核にした揺るぎないスタイルを確立。今季は26-27年秋冬の提案を発展させつつ、ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の小説「オーランドー(Orlando)」のような時を超える物語を描いた。主役は、カマーバンドや燕尾服、キュロットといった異なる時代の貴族の装いやクラシックな正装の要素を取り入れたテーラリング。そこにジャージー素材のジョガーパンツやTシャツ、太もも丈のショーツなどを織り交ぜ、軽やかかつモダンに仕上げた。
「ダガー(DAGGER)」
アイルランド出身のデザイナーは海辺の街で過ごした青春時代を振り返り、00年代初めのスケートカルチャーやさまざまな初体験を経て成長する若者からイメージを膨らませた。多彩な色柄のストリートウエアやスポーツアイテムを自由自在に組み合わせたスタイルは、楽観的でプレイフル。これまでよりデザインの幅も広がり、着実な成長を見せた。コミュニティーを感じさせるキャスティングも魅力的。
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