フレグランスやコスメ、ファッションブランドの輸入販売を手掛けるブルーベル・ジャパンは7月28日、ファッション事業部と香水化粧品事業部を横断して統括するチーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)に日本ロレアル出身の成田浩明氏をCCOに迎え、リテールやマーケティング、デジタル・EC・CRMなどを統括することで新たなシナジーの創出を図ることを発表した。
同社はすでに経営体制も刷新しており、昨年7月にはセルジュ・グレベール(Serge Grebert)前社長が退任し、後任としてエマニュエル・ドゥ・プラス(Emmanuel de Place)=ブルーベル・コリア最高経営責任者(CEO)が日本法人も率いている。また石野久美子・香水化粧品事業本部 ゼネラルマネージャーと、井上保・ファッション事業本部 ゼネラルマネージャーは3月末をもって退任していた。
「ブルーベル・ジャパン 2.0」始動
ブルーベル・ジャパンは、ファッションでは「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」を中核に、ビューティでは「メゾン フランシス クルジャン(MAISON FRANCIS KURKDJIAN)」「ロジェ・ガレ(ROGER & GALLET)」などのフレグランスブランドを扱うほか、オーガニックティーの「クスミティー(KUSMI TEA)」の輸入代理や販売を手掛けている。
ファッション事業では近年「バルマン(BALMAIN)」の取り扱い終了に加え、「プラン C(PLAN C)」や「アリータ(ALIITA)」が三喜商事に移るなど、取り扱いブランドが減少。香水化粧品事業も市場環境の変化に直面している。かつては「クロエ(CHLOE)」“オードパルファム”や「ランバン(LANVIN)」“エクラ・ドゥ・アルページュ”など、長らくの歴史や知名度を持つ比較的手に取りやすい価格帯のフレグランスが安定した売り上げを支えていた。しかし近年はプレミアム・フレグランスの存在感が高まり、ブルーベル・ジャパンが強みとしてきた価格帯のブランド群は、以前ほどの存在感を発揮しにくくなっている。今年の1月末には、ブルーベルジャパンと密に連携してきたリチュアルズ・ジャパンが手掛けたオランダ発ライフスタイルブランド「リチュアルズ(RITUALS)」が日本上陸から1年半足らずで撤退するなど、新規ブランドの育成にも課題を抱えてきた。
同社は経営体制の刷新や成田CCOの招聘を踏まえ、新章「ブルーベル・ジャパン 2.0」を掲げる。今後は主力のフレグランスを強化しつつも、ビューティではスキンケアやメイクアップ、ファッションではレディ・トゥ・ウエアやアクセサリーの拡充を進めるほか、フード&ビバレッジ領域の拡大も目指す。その一環として、秋にはパリ発フレグランス「メモ パリ(MEMO PARIS)」の取り扱いを開始する予定だ。また先行して有楽町の丸井には同社が扱うフレグランスを集積した60㎡程度の新コンセプトストア「セントリウム(SCENTORIUM)」を構えており、既存の「ラトリエ デ パルファム(L'ATELIER DES PARFUMS)」の業態変更にも意欲的だ。
新経営体制で変革を推進
成田CCOは、日本ロレアルで「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「ランコム(LANCOME)」「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」などの事業部長を歴任し、ラグジュアリービューティ分野で14年以上の経験を持つ。今後は香水化粧品事業およびファッション事業に加え、リテール、ビジネス開発、マーケティング、デジタル・EC・CRM、小売りトレーニングを統括する。
グレベール前社長は2009年からブルーベル・ジャパンを率い、フレグランス事業の拡大やEC強化を推進したほか、ニッチフレグランスを含むブランドポートフォリオの拡充に取り組んだ。また、社内資格制度「パルファム ソムリエール」を通じた人材育成にも注力した。
ドゥ・プラス社長は以前、仏発グローバル旅行小売り企業ラガルデール・トラベル・リテール(LAGARDERE TRAVEL RETAIL)アジア太平洋地域のCEOを務め、新たな小売り手法やビジネスモデルの導入を通じて事業成長を推進。オペレーションの改善と効率化にも取り組んだ。ドゥ・プラス社長は、「ラグジュアリー業界は厳しい局面にあるが、チームの専門性と知見を強みに、ブランドパートナーとともに持続的な成長を目指す」とコメントした。