「WWDJAPAN」7月13日発売号は、京都・西陣織の老舗HOSOO特集です。「More than Textile」を掲げ、織物の可能性を拡張し、人々がまだ見たことのない西陣織の美を追求しているHOSOO。その探究の中で出合ったのが、江戸時代の絹(シルク)や大麻(ヘンプ)で織られた着物でした。その品質を現代に再現し、さらには超えることを目指し、絹、大麻ともに日本の在来種を用いて、原料生産から取り組むといいます。ソニーコンピュータサイエンス研究所をはじめ、研究者や企業、職人らとの共創体制を構築。AIやロボティクスなど最先端の科学技術を活用しながら、素材が本来持つ個性を生かす工芸的なものづくりを実現し、日本ならではの多様な美を世界へ提示しようと試みます。
本特集では、絹と大麻それぞれのプロジェクトに参画が公表されている専門家への取材を通じて、日本に残る遺伝資源や在来種の可能性、技術的な要点や実現に向けた課題、そして描く未来像をひもときます。さらに、細尾真孝12代目社長へのロングインタビューを通して、その思想とビジョンに迫ります。
絹の歴史は古く、弥生時代の遺跡から平織の絹織物が出土しています。一方、大麻の歴史はさらに古く、縄文時代から日本人の暮らしを支えてきました。古くは絹を「和妙(にぎたえ)」、大麻を「荒妙(あらたえ)」と呼び、日本文化の基層を成す素材として受け継がれてきました。
HOSOOは、こうした歴史や文化を、未来を生み出す資本として読み替え、新たな産業を創出しようと挑戦しています。その姿勢は、歴史や文化をいかに未来の産業へ生かすのか、人と自然、そしてテクノロジーをどう結び直すのかという普遍的な問いへの一つの答えでもあります。
本特集は、伝統工芸の継承を紹介するものではありません。工芸という領域を超え、あらゆる分野で未来の価値創造に取り組む人々に、新たな視点を提供するものとなるはずです。
表紙は、写真家・鈴木親が撮り下ろしました。撮影場所に選んだ「織庵」は、HOSOOとオランダのテキスタイルデザイナー、メイ・エンゲルギールとの協業による織物“Shoji Fabric”で障子や襖を置き換えることで、伝統的な茶室を新たに解釈した空間です。細尾社長の思想を象徴する場所として、表紙に採用しました。
アマゾン、欧州ビューティEC市場で存在感高まる
海外からは、欧州のビューティEC市場をリポート。「TikTok Shop」をはじめ、中国JDドットコム傘下の「ジョイバイ」、スペイン発の「プリモール」、フランス発の「アロマゾーン」など新興勢力が急成長を遂げる中、欧州主要8カ国で売上高トップに君臨するアマゾンの強みはどこにあるのでしょうか。7月3日(現地時間)に行われたシンガー・ソングライターのテイラー・スウィフト(Taylor Swift)とアメリカンフットボールプレイヤーのトラビス・ケルシー(Travis Kelce)の結婚式の様子もお届け。「ディオール(DIOR)」のドレスを選んだテイラーは、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=アーティスティック・ディレクターによる初のクチュールウエディングをまとったセレブとなりました。米「WWD」が「もし彼女が他のデザイナーを選んでいたら」と、多くのブランドに依頼した貴重なデザイン画も掲載しています。
(COVER CREDIT)
PHOTOS & DIRECTION : CHIKASHI SUZUKI
MODEL : YUKITO HIDAKA
STYLING:HOSOO SALON
HAIR & MAKEUP : MIINA TATSUTOMI
BRAND : HOSOO SALON
DESIGN : SUGURU NAGAHASHI