イタリア・ミラノ発のジュエラーの「ポメラート(POMELLATO)」は7月20日まで、パリで初めてのエキシビション「ポメラート ― 革新のジュエラー(Pomellato, Le Joaillier Révolutionnaire)」を開催している。エキシビションでは名だたるフォトグラファーとのコラボレーションで誕生した広告写真とともに華麗なジュエリーコレクションを展示し、その軌跡を浮き彫りにする。
会期初日はプレス向けのパネル・ディスカッションも実施され、サビーナ・ベッリ(Sabina Belli)最高経営責任者(CEO)、キュレーションを担当したミラノ工科大学ジュエリーデザイン学科のアルバ・カッペリエリ(Alba Cappellieri)教授に加え、ヘルムート・ニュートン財団のマチアス・ハーダー(Mathias Harder)ディレクターが登壇した。
サビーナCEOは、「パリで初めてのエキシビションを、パレ・ド・トーキョーという現代アートの聖地で開くことには、我々にとって象徴的な意味がある」と語った。ポメラートが誕生した1960年代は、「女性がより大きな自由と自立を求めて社会に主張しはじめた、大きな変革の時代。それまでの伝統的なハイジュエリーは、男性が選び女性に贈るものだったが、『ポメラート』は自立した女性が自分で購入し、自分自身の喜びのために装うという新しいビジョンを初めて提案した」と続けた。
歴代の広告写真は、その革新性を雄弁に物語る。「ポメラート」は、写真界の巨匠による独自のビジュアルキャンペーンを展開してきた。会場にはイタリアの伝説的なモード写真家ジャン・パオロ・バルビエリ(Gian Paolo Barbieri)を皮切りに、ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)、アルバート・ワトソン(Albert Watson)、ホルスト・P・ホルスト(Horst P. Horst)、スノードン(Snowdon)、ハーブ・リッツ(Herb Ritts)などの作品を時代別に展示。「これらの広告写真は、特定のロールモデルやブランドイメージを提案するのではなく、女性のパーソナリティや内面の強さといったビジョンを提示している」とサビーナCEO。本展のために80年代当時と同じ手法を再現したプリント写真を多数提供したというヘルムート・ニュートン財団のハーダーディレクターは、「ニュートンは『ポメラート』のキャンペーンでは、最終的にA4サイズの雑誌広告として掲載されることを念頭に置きながら撮影していた」と振り返る。作品群はどれも単なる商業広告の枠を超え、時代ごとの女性の多面性を捉えたアート作品として、メゾンの貴重なレガシーとなっている。
一方、キュレーターのカッペリエリ教授は、創業以来メゾンの根幹となっているクラフツマンシップにフォーカスを当て、「アイコニックなチェーン」「彫刻的なボリューム」「大胆なジェムストーン」という3つのカテゴリー別にジュエリーを展示。ミラノ伝統の金細工を活かしたセンシュアルで芸術的なチェーンに、カラフルな大ぶりの半貴石を使った人気の“ヌード”など、数々のコレクションを集結させた。「卓越した職人技で作られた『ポメラート』のジュエリーは、美しいだけでなく触り心地も良く、女性的な柔らかさやあたたかみまで表現されている」と賛美する。会場には、流線型を描くゴールドのブレスレットのフォルムをそのまま拡大したオブジェを展示したコーナーもあり、精巧な彫刻作品のような繊細さとボリューム感、そして色彩豊かなジェムストーンが織りなす独自の世界観が広がっていた。
「ポメラート」は2017年、「ポメラート フォー ウィメン」という女性支援のプラットフォームをスタート。毎年異なるテーマに基づき、ジェンダー差別や暴力と闘う女性団体のサポートに精力的に取り組んでいる。この活動に賛同するアクティビストやセレブリティ達のポートレート写真を展示したスペースにも注目したい。1967年の創業以来、自由な女性のためのジュエリーをミラノで生み出してきたメゾンは、新たな社会活動を通じて女性たちの物語と精神を未来へと引き継ごうとしている。
「ポメラート ― 革新のジュエラー」展(POMELLATO, LE JOAILLIER RÉVOLUTIONNAIRE)
会期:2026年6月24日~7月20日
会場:パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)
入場無料。特設サイトにて予約受付中